こちらは、現在研究途中です。近々、現地調査へ行く予定です。

その結果がまとまり次第更新します。

 

 

 

目的

都市独自のリズムにあった町並みの構成パ ターンを提案して、その景観(原景観)の評価を行う。

(町並みをそのまま復元・保存して行くのではなく、伝統的建物の出現率を変えたり、現存する建物の外観を修景することによりその町並みのもつ構成リズムを表現し、今後の町並み整備方針を考察する。)

研究対象都市:竹田市

 

CG制作の流れの流れ

 

ファサード保存による修景

1.開口部の修景(格子・飾り窓・すだれ) 2.軒先の修景(軒の出・2階の後退) 3.外壁の修景(土壁・漆喰・海鼠壁)

 

竹田市地区景観の特性

<町割りの原型と現状>  

文禄3年(1594)新町、本町、田町の町割り実施(長方形の区画) 寛文5年(1665)古町が形成される(ほぼ方形の碁盤目状に区画)      改変されることなく現在に受け継がれている。

<地割り構成と敷地の原型>  

元禄期・・・間口 3間半・10間、奥行き 18間・19間半      弘化期・・・間口 多様化、奥行き6間(長いところで12間)     古町は、間口2間を中心にまちまち、奥行き15間に制限     現在でも間口が広く、奥行きの長い、当初の地割りが残っている。

<町や建物の外観>        

当初町屋は、ほとんど茅葺であった。元和5年(1619)藩によって板葺きに改められる。寛文2年(1662)板葺きから瓦葺へ、蔵はすべて漆喰塗りにする。防火対策として、江戸時代からすでに瓦葺き以外の屋根はない。  

街路景観マスタープラン 竹田市の町づくり方針と将来像

 

・竹田市総合計画(昭和57年度)における将来都市像・・・文化的田園・観光都市

・竹田市都市基本整備計画(昭和61年度)における町づくりテーマ ・・・奥豊後名水 、田園・文化都市竹田 ー伝統の再生と明日への創造ー  1.定住地にふさわしい住みよいまちづくり     2.地域経済活性化のための条件づくり       3.安全なまちづくり    

・竹田市都市景観ガイドライン(昭和63年度)における景観づくりの目標 ・・・盆地の緑に甍の波が息づく竹田   名水と歴史の風薫る優しい景観づくり甍1.“竹田らしい個性ある景観を創造する”   2.“竹田らしい自然と地勢を活かす”      3.“竹田の歴史と文化を継承する”

 

町並みづくり(景観形成)の考え方

A,街路拡幅に伴って、新たに町並みをつくりだしていくもの (街路拡幅整備に伴って、新たに町並み景観をつくりだすための基準(ルール)に基づいて良好な景観を誘導していく考え方。)

B,既存の町並みを修景により整備していくもの (街路拡幅を伴わず、現道内において街路整備を進めるにあたって、現存の町並みを修景整備により街路と一体となった良好な景観としていく考え方)

C,伝統的な町並みを積極的に保存していくもの(歴史的,文化的にも貴重な伝統的町並みにおいて、歴史的建造物の積極的な保存の推進を図っていく考え方)

 

5,竹田市中心市街地地区における町並みづくり(景観形成)の方向性

町並みづくりのテーマ設定

城下町としてふさわしい街並みづくり=藩政時代のイメージ明治、大正期をイメージしたモダンな街づくり=滝 廉太郎の時代イメージ新たな竹田のイメージにふさわしい現代的な街づくり

このうち、「城下町としてふさわしい街並みづくり」の地域について進めていく。

 

竹田地区における街並み形成景観・修景ガイドライン

建築物における基準

@規模・配置      ・高さは15メートルを限度とし、周囲の高さとそろえる。・通りに面する壁面の位置は、できるだけ隣接する家屋の壁面にそろえる。

A形態・意匠                            

屋根および庇      ・屋根は勾配屋根とし、その勾配は周囲の屋根と類似したものとする。・屋根および庇は銀鼠系の日本瓦葺とする。   

外壁および建具     ・外観は、木造形式とする。・壁の色は、白・灰色・茶系統。歴史的風致と調和した落ち着きのある色彩。・壁面および窓・格子等の建具については、伝統的様式を基本とし、町並みの連続性を損なわないような意匠とする。・建具の色は、黒または茶系統のおちついた色とする。

設備機器         ・空調機等壁面に設置する設備は、通りから見えないように設置する。・やむを得ず露出する場合は、目隠し等で目立たないようにする。                                

 

竹田市における景観整備の課題と問題点

町屋を店舗として利用している場合、新建材を使用し伝統様式と異なる様式になっている。特に、一階部分は原型を留めていない程度に改変されている。

空き家が多く見られ、建物の老朽化がさらに進行している。

解体されるものもでてきており、町並みの連続性が絶たれたり、貴重な建物がなくなっている。

母屋の裏にある土蔵や庭の痛みが著しく、現状のままでは解体するか、崩壊するがままになっている。

建物の多くは間口の庇を近代的な看板で覆って屋外気を置いたりして、建物の顔を隠してしまっている。

都市計画道路の拡幅により、移転若しくはセットバックすることとなり、江戸時代からの町割りが崩壊する事になる。

古町の旧アーケイド街が、準防火地域に指定されているため準耐火建築物・耐火建築物にすることが義務ずけられており、木部をそのまま露出させる事が困難である。

水路が暗渠となっているため閉鎖的で、自然石によるによる石垣側溝等を隠してしまっている。

道路標識・電柱・案内板が乱立して、その統一性がなく歩行空間を阻害している。