lu blanc
■糸島半島は福岡市街の西に位置する。あたりには穏やかな丘陵地が広がっていて、九州大学新キャンパスの建設予定地も、それらの丘陵地帯の一角にある。周囲はのどかな自然景観である。予定地の内部は、ほとんどが傾斜地で平坦な土地はわずかである。 この土地に対して、九大のほとんどの施設(膨大な建築物)が移転するのである。周囲の景観に与える影響は計り知れないものがある。また、この広い土地に漫然と建築物を配置すれば、一つの大学としてのまとまりが失われるとともに、機能的にも不便なものとなると予想される。
■私たちは、計画地の現状の地形に大きな改変を加えることなく、この場所が元来持っている特性を活かしたキャンパス計画を行いたいと考え、敷地の中央部北側の比較的平坦な地点と、そこを取り囲むように展開する斜面上に主要な建築物を配置することにした。この地点は北側に開いたすり鉢状の地形であって、ここに一群の施設を立地させることは物理的にも心理的にもキャンパスの一体性を保証することにつながると思われた。また、出来るだけ小規模低層の建築物を地形に沿って配置(集落性の表現)することによって、キャンパスと周囲ののどかな景観の折り合いをつけようと試みた。すり鉢の底にあたる平坦な地点には、キャンパスの中心施設(本部機能とサービス機能、情報機能など)とオープンスペースを配置した。この結果、敷地の南側からはほとんどの施設が隠蔽されることにもなった。
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