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■卒業研究の概要

VRシステムによる建築評価手法に関する研究   〜ル・コルビュジェの4つの住宅作品のVRシステム評価実験による検証〜 建築分野におけるプレゼンテーションは設計者側からの一方的な情報だけでなく、利用者、  見学者からのアプローチによる自由な空間体験による建築の評価のための新しいプレゼンテ  ーションが必要である。そこで本研究は、利用者が自由にアクセスが可能な「インターネッ  ト」を利用し、ネットワーク上の仮想空間の中の建築を自由に回遊することで建築評価を行  う手法を提案する。   この研究のケーススタディとして、ル・コルビュジェの4つの住宅作品である「ラ・ロッシュ・  ジャンヌレ邸」「ガルシュの家」「サヴォア邸」「カルタージュの家」についてモデリング  を行った。そして、インターネットでの公開と評価実験における「ウォークスルー」を可能  にするために「VRML」を用いた。本研究で作成されたこれらのVRMLによる画像をこ  こで「VRシステム」を呼ぶこととする。   このVRシステムで実際に建築の評価が可能なのかどうかを探るために、4つの住宅作品  の建築評価実験を行った。被験者は本研究室大学院生7名を対象とし、VRシステムの画面  内のウォークスルーによって、自らの気に入ったシーンやその建築の特徴ともいえる場面等  の視点場を見つけ、「その空間の特徴的要素となると感じられる要素は何か」「選んだ場面  の印象」を詳細に挙げることによってこのVRシステムでどのように建築空間を認識できる  のかということを探り、4つの住宅に見られるル・コルビュジェのデザインボキャブラリー  (ピロティ、屋上庭園、自由な平面、自由な立面、螺旋階段、曲壁、水平連続窓、縦長窓)  が被験者の心理にどう影響しているのかについて検証していった。   被験者の自由な選択にこれら4つの住宅の中の視点場探索を行った結果より、被験者が選  んだ場面の中には必ずル・コルビュジェのデザインボキャブラリーが含まれており、被験者  もまた空間を印象づける要素としてそれらをあげていることがわかる。これらの要素は、被  験者がコルビュジェの住宅の空間評価をする上で彼らの心理に何らかの影響を与えていると  いえる。   また、被験者はこのVRシステム上で「空間のボリューム感」「リズム感」「連続性」な  ど通常2次元画面では、把握しにくい部分まで感じ取っており、従ってこのシステムは、画  面上の建築空間を現実に近い状態で利用者が把握することが可能な手段であるといえる。こ  のようなことから、VRシステムを利用した評価する側の操作による視点場探索での建築評  価の有効性が大いに期待できるものである。
○画像をクリックしてみて下さい!

■ラ・ロッシュ・ジャンヌレ邸


       

■ガルシュの家


      
■サヴォア邸


     
■カルタージュの家


   


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大津留祐子yotsuru@cc.oita-u.ac.jp

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