本研究では、竹材の需要促進を目的とし、鋼材の替わりに竹材を組み入れたコンクリート部材(以下"竹筋コンクリート"とする)の開発を行なっています。竹筋コンクリートについては、過去にも第2次世界大戦前後の昭和初期から20年頃にかけて鋼材が不足した時期に建築構造材として研究がなされ、実際の建築に使用された実績があります。しかしながら当時は、その力学的性質が完全に解明されていたとは言えませんでした。そこで、今後竹筋コンクリートを実用化するためには、その設計法の確立のために詳細な力学的性質の把握が不可欠であります。本研究では、この竹筋コンクリートを床スラブに使用した場合の力学的挙動把握のための基礎的研究として、竹筋コンクリートスラブの曲げ実験を行ないました。

実験内容
実験結果
実験から、竹筋のみを配筋した場合、十分な強度性能を得られないことが明らかとなった。一方、竹と鉄筋を組み合わせて使用することで鉄筋のみよりも高い耐力と変形性能が得られることが明らかとなった。  今後は、竹のみによる最適な配筋量の算定法や竹筋と鉄筋を混合した場合のそれぞれの配筋量の割合について検討を行なう必要がある。