おおいた木造建築ファイル
長福寺
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この寺は、天正 12 年( 1584 )に武内山城守によって開山されたと伝えられ、寛永14 年( 1637 )に現在の地に遷った。 寛文 9 年( 1669 )に建造された本堂は、江戸時代前期から後期に至る平面及び装飾の変遷過程がわかり、真宗寺院建築の様式や技法をよく残している。九州最古の真宗寺院本堂である。西本願寺の旧本堂の西山別院と類似した建築様式をもった全国的にも貴重な建築物である。 長福寺はほかにも江戸時代の古い建造物群を残す天領日田の代表的寺院である。 平成 14 年度から保存修理工事が行われ、本堂は寛永当初の形式を基本としつつ、堂内の荘厳が整った享保期に復元された。 建立後の本堂は、親鸞聖人や蓮如上人の御遠忌にあわせ、下記の通り 6 期にわたって平面・内外観が変化していったことが判った。これは、真宗寺院の宗教作法の変化に伴い、間取りを改変していったものと考えられる。 −長福寺本堂の変遷過程− ・元禄期( 1702 )余間壇を設置する ・享保期( 1722 )三つ並び仏壇形式から後門形式に改変する ・文化期( 1809 )矢来の間を位置付ける ・弘化期( 1846 )屋根を拡大し、右鞘の間西側を増築する ・明治期( 1884 )広縁外に建具を設置する ・昭和期( 1926 )左鞘の間を大屋根に納め、右鞘の間南側を増築する |
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国指定重要文化財 所在地/日田市豆田町 5-13
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※このページは 大分大学 工学部 福祉環境工学科建築コース 木質構造研究室 の製作です
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