おおいた木造建築ファイル 000

草野本家 増築を重ねた蝋商の豪商町屋

 近年、街並みが人気を集める日田市豆田町において、なくてはならぬ要素といえる草野本家。江戸時代には隆盛を極めた、蝋商人の屋敷である。
 当時の蝋商といえば現在の石油商に匹敵する商売で、ここ草野家では掛屋(大名などに対する金融業)も営み、多大なる影響力を持っていた。

 仏間と屋敷蔵は1772年の大火を免れた元禄時代(1700年頃)の建築と伝えられ、母屋は1774年頃の再建とみられる。
 母屋、別棟屋敷など9棟からなり、部屋数は実に30に渡るが、そのすべてから庭が見える京風の平面配置。座敷の欄間には1000年以上の屋久杉が用いられ、現在では到底再現不可能な建築物である。

 公開は年4回・1ヶ月づつ程度に限られ、特にここが発祥である春のおひな祭りには、多数の見学者が訪れる。
DATE
大分県文化財
所在地/日田市豆田町11-4
設計者/不詳
竣工/1688年
建物用途/住宅
構造規模/木造2階建
延床面積/u

電話番号/0973-24-4110
入場料/550円(公開期間限定)
MAP(Mapion)
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※このページは 大分大学 工学部 福祉環境工学科建築コース 木質構造研究室 の製作です
※記事・写真の無断転載・使用を禁じます ※2003年10月24日取材