おおいた木造建築ファイル 000

九州電力健保別府保養所 照波園

京風数奇屋造の別荘と、英国式山小屋

 もとは久留米絣の織元・国武金太郎氏の別荘で、昭和初期に京都の職人の手で作られた。1953年に九電の所有となり、保養所として使われている。

 茶室は当時からのもの。昭和初期は久留米絣の全盛期であり、要所に高価な材を用いた贅沢な造りである。舟板や久留米絣の版木を用いた天井など、特徴的な意匠が見られる。
 庭園は、別府湾と対岸の日出の街並みを借景としていて、防波堤の完成前の景観は見事だったという。曲水の宴を模した水路が優雅だ。

 一方本館は、九電の所有となったのち、1954年に建てられた英国風の山小屋様式。資材難の時代ながら、2層吹き抜けの本格的な洋館である。
 九電の保養所だが、九電健保加入者の紹介があれば一般でも宿泊可能。 
DATE
所在地/別府市上人ヶ浜町5−32
竣工/茶室:昭和初期、本館:1954年
建物用途/保養所
構造規模/木造2階建

電話/0977-66-0030
休館日/年中無休
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このページは 大分大学 工学部 福祉環境工学科建築コース 木質構造研究室 の製作です
※記事・写真の無断転載・使用を禁じます ※2003年11月11日取材