おおいた木造建築ファイル 000
帆足本家「富春館」
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在町だった戸次本町でも、代表的な大庄屋だった帆足家。臼杵藩の中でも3件しか許されなかった武家屋敷の構えを持った庄屋の一つで、酒蔵も合わせた敷地は広大なものである。現在、酒蔵は大分市に譲渡され、母屋であった「富春館」と蔵などが帆足家に受け継がれている。 「富春館」は臼杵の棟梁・高橋団内の手によって建てられ、画人・頼山陽によって命名されたもの。式台付の玄関は、まさしく武家住宅の特徴。欄間には絵画が組み込まれていたり、縁側のものは天井に届いていなかったりと、特徴的な意匠も多く見られる。京都の庭師によって手入れの行き届いている庭は、形式にとらわれない「文人風」の庭と呼ばれるもの。また明治に建てられた蔵はカフェとして、大正年代に建てられた洋館はレストランとして活用されている。 貴重な収蔵品を折に触れて公開しており、戸次の街づくりの核をなす建築物である。 |
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所在地/大分市中戸次 |
※このページは 大分大学 工学部 福祉環境工学科建築コース 木質構造研究室 の製作です
※記事・写真の無断転載・使用を禁じます ※2003年10月14日取材