おおいた木造建築ファイル 000

由布院駅 礼拝堂をイメージした観光地の玄関口

 大分県を代表する建築家、磯崎新氏設計による、JR久大本線・由布院駅の駅舎。森ゆたかな湯布院のイメージにあわせた杉材・木造の駅舎で、イタリア・フィレンツェのメディチ家礼拝堂をイメージしたと言われる。
 黒のシックな板張りでまとめられた、落ち着いた外観。コンコースを挟んで、駅事務室とギャラリーが両翼にならぶ。内観は外観と対照的に、白を多用。コンコースは12mの高さを持った塔の吹き抜けの下になり、太陽光が注ぎ込む明るい空間である。

 駅舎からホームへは改札口のラッチがなく、ヨーロッパにならった本邦初の設計と謳うが、改集札を行う制度は現行どおり。ワンマン列車の多い当地では改札を徹底させる必要は大きく、適当な設計であったかは議論の分かれる所だろう。
DATE

所在地/由布市湯布院町
      川北字井出ノ口8-2

設計者/磯崎新アトリエ
施工者/大林組
竣工/1990年
建物用途/駅舎
構造規模/木造平屋建

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※このページは 大分大学 工学部 福祉環境工学科建築コース 木質構造研究室 の製作です
※記事・写真の無断転載・使用を禁じます ※2003年10月3日取材