● 八幡神はいいかげん?とは・・・

 八幡様という神様は本当にいいかげんである。いいかげんというと、悪い意味に考えてしまうが、『よいかげん』という言い方をすればわかりやすい。良い加減というのは、熱くもなく寒くもなくというように中等主義で、いわゆるバランス神のことである。常に右と左にバランスをかけて、右に片寄ったら左、左に片寄ったら右というようにしている。そういったバランス神であり、修正していく神様が宇佐の八幡神だということである。だからいいかげんの神様といったことは、いわゆるマイナスとプラスの間に0があるということ。そして無の世界というのが仏教の世界のことである。人間がその無我の境地になれたら本当の悟りだが、その悟りを開くことができないから、我々は俗と聖の間を行き、しかも特に俗っぽい人間になりやすいから、聖的な空間を街の中につくっておくのだろう。その聖的な空間と感じるような場所がお宮でありお寺であるということだ。

 

 

※このページは 大分大学 工学部 福祉環境工学科建築コース 木質構造研究室 の製作です

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