● 道と森を整えるとは・・・

 日本では昔から道を大事にしてきた。お宮の場合、参道をしっかり整備しろといわれるのはそのためである。お年寄りがつまずいたり、参道の両側の木もいつ間伐したかわからないような荒れ方をしている、そんな参道にしておいてお参りしても、神様はお願いを聞いてくれないだろう。

  柞原の森もそうで、鎮守の森とついているのは、みんな氏神であり、氏神を祀っているお宮らしい景観を整えないといけない。森が汚れているのに神様が居付くわけがない。ある場所では森どころではなく、最近植えて根もつかないようなひょろひょろした木が植わっているところもある。少なくとも人間より長生きした、できれば200〜300年経過したような大樹が、森の中に何本もないと貧弱な森になってしまう。だから八幡地区の人たちがボランティアで森と参道を整備すべきである。自分達がお祀りしているお宮で、しかも豊後一の宮なのだから、きちんとした方がよい。

  さらに、柞原ではお参りに行っても、ユスの木がどこにあるのか誰も知らない。宮司も知らないぐらいで、ユスの木があるところに神様が降りてきたということがわかってないようだ。だから柞原の子どもたちや八幡の子どもに、なぜ『 柞原 』という名前が付いているのかということをまず教えればいい。そしてユスの木というのはどういった材料として使われているかも知っておくべきだろう。ユスはさまざまな使い方があり、くしを作るのにも使われるし、将棋の駒にも使われる。床柱にも使われるし、床板にも使われる。ユスの木は常緑高木で、割に成長したら25mくらいになる。他には、3000年の天然記念物になっている楠の木があるが、台風で枝がだいぶん折れている。下の方の緑くらいだったら全国でも大木のうちに入るだろう。

 

 

※このページは 大分大学 工学部 福祉環境工学科建築コース 木質構造研究室 の製作です

※記事・写真の無断転載・使用を禁じます