ナゴヤドーム大屋根つり上げ開始
1万トンじわり
平成九年二月の完成を目指し、名古屋市東区大幸南一で建設中の「ナゴヤドーム」の巨大な屋根のつり上げ工事が六日、始まった。二年半がかりの建設工事は最大のヤマ場を迎えた。
六日午前九時、ナゴヤドーム建設協議会の田中精一会長(中部電力相談役)、飯田庸太郎副会長(三菱重工業相談役)、大島宏彦副会長(中日新聞社社長)、竹中工務店の竹中統一社長が始動スイッチを押した。大屋根はじわじわと上昇、約百人の関係者から拍手が沸き起こった。
屋根は直径一八七・二メートル、重さ一万三百トン。長さ約十メートルの鋼管をほぼ正三角形の格子状に組み合わせた「はり」で、ステンレス板とガラス板を支える。「単層ラチスドーム」構造の屋根では世界最大という。
屋根の周囲七十二カ所に設けた油圧装置とワイヤを使って、現在の位置から水平状態を保ったまま最高部六六・九メートルまで二十三メートルつり上げる。毎時二メートルの速度で、休憩時間を含め二日間で約十四時間かけて慎重に進められ、七日午後全体像が明らかになる。
【写真説明】(上)ワイヤでゆっくりとリフトアップされていくナゴヤドームの大屋根=6日午後0時35分、名古屋市東区大幸南で、本社ヘリ「おおづる」から (下)屋根つり上げ始動ボタンを押す(左から)大島ナゴヤドーム建設協議会副会長、田中同会長、飯田同副会長、竹中竹中工務店社長