1999年度修士論文
コンピュータグラフィックス手法を用いた
高密度都市景観に対する
評価構造についての研究

2.写真画像の収集・選定 

2.1.研究対象地域について

本研究では、Song-Buk区のHan-Jin・Han-Sinアパートを研究対象として取り上げる。図 2にHan-Jin・Han-Sinアパートの位置を示す。

図 2 Han-Jin・Han-Sinアパートの位置


Han-Jin・Han-Sinアパートは、ソウル北端のPu-Kan山からつづく丘陵地の斜面に開発された大規模高層集合住宅団地であり、総世帯数は4509戸である。

2.2.写真画像の収集

前述の研究対象地域についての写真画像を収集した。収集された写真画像とおおよその撮影地点を図 3に示す。


図 3 対象地域の写真画像


これらの写真は大分大学工学部都市計画学研究室の同僚、李衡馥氏によって撮影されたものである。

2.3.写真画像の選定

これらの写真のうち、後段の景観シミュレーションおよび評価実験を行うための画像を3点選定した。選定の基準は以下のとおりである。
できるだけ、異なる角度からの画像を選定する
複数のアパートが撮影されている画像を選定する
写真としての写り(ピント、発色、構図)が良いものを選定する
この結果、図 3に示す3点を選定し、これら写真画像をフィルムスキャナを用いて、コンピュータ上に保存した。


図 4 選定された写真画像と視点場


選定された写真の視点場の位置は、いずれもアパート群の南を東西に通じる主要道路の沿線に位置している。この道路はアパート群の位置する丘陵地の斜面のふもとにあって、ここから、アパート群を望む景観はアパート群を仰ぎ見るような景観となることがわかる。また、いずれの視点場においても周辺と比べアパート群が際立って高くそびえたっており、視界の広い範囲を占める状態となっている。特に視点場1においてはアパート群までの距離が非常に近く、視線が建物に直角に近い角度で交わっていることから、強い圧迫感を感じる景観となっている。

 


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