松下金物店

かつての別府のメインストリート流川通りに、ユニークな老舗が今も残されている。関東大震災の復興期に 東京の商店に多用された看板建築と称されるスタイルである。寄棟造の和風建築の沿道側だけを、 鉄筋コンクリート風の簡易な洋風建築に仕上げたもので、中央公民館と同じ引っ掻き(スクラッチ)タイルが 用いられている。店内の2層吹き抜け空間と、その上の3階部分に設けられた倉庫へ荷物を収納するための 巻き上げ機などの工夫は、単に表面的な装飾に留まらない特徴も見いだせる。