認知空間の視覚化の方法(OHP14)
認知空間の広がりを視覚的に把握するため、GISの拡張機能であるSpatialAnalystのサーフェス作成機能(補間)を用いて、認知圏域図
を作成し、認知構造の視覚的分析を行う。
※GISのサーフェス作成機能は2種類あるが、本論文ではIDW(InversDistanceWeighted)インターポレータ用いた。IDWインターポレー
タはある固定点から、入力ポイントが離れているほど、固定点からの影響が少なくなるという想定に基ずきサーフェスが作成される。
IDWは書くセル(グリッド)に近いポイントにより大きい値を割り付けて表示出力され、一定数のポイント又は全ポイントを使い計算さ
れる。
認知圏域の広がりと認知理由の分布(OHP15〜OHP17)
GISの機能を用いて認知圏域の広がりと、認知理由の分布を地図上に表示した。青の三角が公園の位置を示し、公園を取り囲む範囲がそ
の公園の認知空間を示し、認知理由はインデックスにより、その分布を示す。
大道校区のなかで特徴のあった公園を2つ示す。大道校区中央には、片道2斜線の「国道10号線大道バイパス」が通り、インフラによっ
て認知が分断されているのが伺える。また、認知理由の分布は公園周辺は赤色に、公園から遠くになるにつれ黄色が目立ってくる。(OHP15)
田尻校区では、認知の範囲が東と西で分断されているのが伺える。これは田尻校区が高台にあり、2つの住宅団地が2分されているから
であり、これにより認知は地理的な影響を受けると考えられる。(OHP16)
日岡校区にある、公園面積の小さい公園の認知範囲は、公園周辺の一部のみであるのに対し、公園面積の大きい公園の認知範囲は、その
校区全体に拡がっているのが伺える。これにより、認知は公園規模による影響を受けると考えられる。(OHP17)
図1
図2
図3
まとめ(OHP18)
距離圏域における認知率と認知理由の割合から、@認知率に与える認知理由の影響は距離によって変化し、その規則性が見られた。
また、GISを用いた視覚的把握から、@認知は地形やインフラ、また公園規模の影響を受ける、A認知の発生場所を捉え、それがどのよう
に拡がり分布しているのかを視覚的に捉えることができた。
|