分析手法について

因子分析とは
因子分析とは、多くの観測データがあるときに、観測データの裏にひそんでそれらを支配している本質的な要因を探り出す手法である。そして探り出した要因を分析者自身が解釈し、因子の意味づけを行う。

因子分析の手順としては、相関行列の算出から始まり、因子の抽出、因子の回転、そして因子得点の計算をし、ある事柄がどれだけ因子に左右されているのかを考察する。  

今回の分析はコンピューターを用いて行った。因子の抽出は主因子法により、回転はバリマックス回転、因子得点の計算は回帰分析法によっている。主因子法は、相関行列の対角要素を共通性の推定値とするものである。この共通性の推定を行うために、共通性の初期値を設定し推定値を相関行列の対角要素に置き換えて因子抽出を行い、推定値が因子負荷量の平方和となるまで反復計算をする。これを共通性の反復推定という。共通性の初期値は全て1とした。バリマックス回転は因子軸を直交回転させるものだが、因子軸が互いに直交し、因子間が無相関になるように変換を行い、この回転では各因子ごとに因子負荷量の平方和の分散が最大化するように回転を行い因子負荷行列の列ごとに単純化を図る。回帰分析法は最小自乗法により因子得点を推定するものである。
重回帰分析とは
重回帰分析とは、定量データを予測する変数とした、線形(1次)の関係式として得られ、いくつかの特性・要因についてそれぞれの係数を得ることにより、予測式として用いられるものである。予測する変数を目的変数と呼び、特性・要因を説明変数と呼ぶ。この分析ではそれぞれの変数間の相関を求め重回帰式を求める。

重回帰式は一般に
 Y=a+bXl+cX2+・・・・+nXm で示され、Yは目的変数、Xは説明変数、aは定数、b、C、・・・・はそれぞれの説明変数にかかる偏回帰係数である。  
そして、重相関係数の値の絶対値が1に近いほど信頼性が高い。  

なお、重回帰分析で重要なことは説明変数の選定である。説明変数の選定は重回帰式の信頼性を高めるだけでなく、得られる研究成果にも大きな影響を及ぼす。まず、説明変数と目的変数との相関が高いか調べる。そして、説明変数どうしが互いに独立であることを確かめる。従って、目的変数との相関係数が高く、他の説明変数との相関が低い説明変数を選ぶことが重要である。




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