平成10年度 卒業論文

柳川市の水郷景観の水路空間に関する研究 ーゆらぎを用いた解析ー

この論文は、平成11年の学術講演梗概集に記載されている論文です。

研究の背景・目的

我が国の都市の多くは近世城下町を基盤としている。それらの都市は、近代以降、その空間の上に都市づくりが展開され、その独自性の失われた都市も少なくない。

そうした都市化や地域開発等の流れの中、福岡県柳川市は点在する寺社や武家屋敷、古いまち並み、縦横に巡る掘り割り(水路)、今も残る町名から城下町の歴史と伝統をしめすことができる。つまり、今日の大都市にはのぞむことのできない独特の風景を持ち続けている。その風景の掘り割りの美しい景観を維持し、現代の快適な生活環境を創造するために、水郷景観の構成要素を把握し、理解する。

本研究では、福岡県柳川市が水郷景観を構成しており、水郷景観の保存、修景や再開発に寄与するため、景観構成について知見を持ち、物理的特性を把握、類型化することにより、水郷都市柳川の水路空間の特徴を理解し、ゆらぎをもちいて、柳川堀の各要素の特徴をつかんでいくことにする。