A/E/C SYSTEMS JAPAN '96 併設展とセミナー by 都市・地域データ小委員会
A/E/C SYSTEMS JAPAN '96 (1996年9月25〜27日,東京池袋サンシャインシティ文化会館にて開催)
において都市・地域データ小委員会が企画主催した併設展とセミナーについて紹介します。
日本建築学会情報システム技術委員会、都市・地域データ小委員会では、毎年、「A/E/C SYSTEMS JAPAN」において展示およびセミナーを企画主催しております。'96年は、「都市・建築空間における快適性の追求」をテーマに掲げ、その様々な手法を展示しました。建設省建築研究所殿と大成建設殿のご協力により、都市微気候の3次元解析・予測の研究者と都市・建築空間を創造する実務者との、双方から現状の最先端をご紹介しました。
併設展:「都市・建築」快適空間展
建設省建築研究所
私たちが使ったエネルギーは最終的には熱になり、都市空間に放出されます。人工廃熱が局所的な気温上昇を招き、冷房負荷を増大させる現象は、快適性の追求が快適性を損なうという皮肉な構造の現れであるといえます。普段は気にとめない廃熱の行方ですが、見つめ直してみてはいかがでしょうか。ここでは、都市の土地利用分布やエネルギー消費データから気温や風の状況を推定する都市気候予測手法を3つのスケール、すなわち建築スケール、市街地スケール、都市スケールに分けて紹介し、都市居住性とのかかわりを考察しました。

大成建設株式会社
地球環境問題から身近な住環境の整備までを視野に入れるとき、開発に際して環境計画を通して基本計画を策定しエコロジカルなシステムに着目した環境共生型の地域づくりが、今後重要になります。自然との共生を目指す環境計画とは、建設行為が自然に与える影響を最小にしつつ、自然の持つポテンシャルを最大限に活かす事により、周辺の自然及び社会環境と親密に調和し、住民が主体的に関わりながら健康で快適に生活ができる豊かな環境を計画することを意味します。今回は百合が丘ニュータウン(水戸市)における計画内容をパネル、ビデオで紹介しました。

セミナー:「都市・建築空間における快適性の追求」
(1996年9月25日,東京池袋サンシャインシティ文化会館 5F)
講師:
足永 靖信:建設省建築研究所第五研究部居住環境研究室主任研究員
人見 修:大成建設設計本部環境デザイン部設計室長
司会:
田中 公雄:葛飾区役所企画部情報処理専門員
建築物や自動車、鉄道等の交通機関において、都市の人工空間内部の環境はすこぶる快適になっている。それに反し、外部の空間ではビル風や人工廃熱、排ガス等による環境悪化は進む一方である。都市や建築空間の形成に携わる我々は、何ができ如何に取り組むべきか、その手法を探る。都市微気候の3次元的解析・予測の研究者と都市、建築空間を創造する実務者との双方から現状の最先端を解説しました。