この記事は1996年7月26日に行われた大分県地区計画推進協議会主催の「まちづくりシンポジウムおおいた’96」の基調講演の記録です。
後半部分には景観の写真が多数掲載されていますのでダウンロードに時間がかかるでしょうが、じっくりお楽しみください。なおここでお見せする写真は全て佐藤個人が撮影したものです。
ダウンロードはしないでください。
 
 
まちづくりと景観
                                                       
(C) Seiji SATO
1.はじめに
 ただ今ご紹介に与りました、大分大学の佐藤でこざいます。今日は椅子を用意していたたいておりますので、座ったままで話を進めさせていたたきたいと思います。 今日は、大分県地区計画推進協議会のまちづくリシンポジウムおおいた’96というタイトルで約3時間ほどのシンポジウム、並びに私の講演をシンポジウムに先立ちまして1時間ほどやらせていただきます。
 日頃、地区計画、都市計画というような形で最前線でこ活躍されてる方々の研修会ということで、私がどれくらい皆さん方に役立つような話ができるかというのは、あまり自信がこざいませんけれども、それから今日は第一線でご活躍の方もおみえであるとお聞きしておりますので、どのへんに話を絞ろうかと迷ったんです。けれども、今日の私のテーマが「まちづくりと景観」ということでこざいます。景観というのは目で見る環境と一言でいいますと言えるわけで、やはり話たけじやなくて目で見る部分が必要かということで、私の話は1時間ぐらいなんですが、スライドを持ってきておりますので、後半はスライドを見ながら景観の話をしたいと思っています。

2.いまなぜ「まちづくりと景観か」
 今、なぜ「まちづくりと景観か」というところから話をしたいと思いますが、まちづくりと申しますと、二つほど意味があるわけでこさいます。すこし堅い話になりますけれども、一つは社会経済計画としてのまちづくり。こういうふうに言っちゃいますと、非常に堅い話なんですけれども、よく地域作りだとか、あるいは「むらおこし」だとか地域活性化という言葉で言われている。一言でいいますとソフトのまちづくりたということだと思います。それから二つ目はハードのまちづくり。これは空間計画としてのまちづくりということになううかと思います。街並みづりだとか、あるいは道路、公共施設、公園、こういうものをどうやって地域にアレンジしていくのか、あるいは具体的に作っていくのかということで語られるのではないかと思います。この二つのまちづくりの話なんですが、今日は地区計画推進協議会ということで、むしろハードのまちづくりということに絞りまして話を進めたいと思いますし、それからこの後、パネルデイスカッションをやりますけとも、それにつきましても、ハードのまちつくりを主体として話をしていくというかたちになると思います。ただ、ソつトにつきましても、これも芸当然、ハードと結んでくる話なので、私はハードとソフトというふうに二つに分けましたけれども、これは非常に密接に結びついてる話でこざいます。景観というのは、先ほど見る環境というふうに言いましたけれども、ハードとソフトということから言いますと、そのハードのまちづくりの究極の姿として景観というものがあるわけです。そして、この景観というものが、先ほど法華津さんの方からお話がこざいましたけれども、まちづくりの非常に大きな注目を集めるテーマになってきているということでこざいます。

 なぜそういうふうになったのかということなんですけど、幾つかあるわけですが、今まで公共の都市計画を含めまして、このまちづくりの一番大きな反省点としてミニ東京というものを作ってしまったということがあると思うんです。このミニ東京というのは具体的に何かと言いますと、私は決してそう思ってないわけなんですけど、東京というのが非常に機能重視であると。機能重視で、非常に個性のない街というふうなかたちでこの場合の<東京>というのが意味付けられていると思うんですね。東京というのは必ずしもそういうことじやなくて、東京というのは非常に個性を持った街ですし、それから行って楽しいし、いいものを、歴史的な環境というものを非常にたくさん持っているので、私はこのミニ東京という言葉には必ずしも組みしないわけなんですけれとも。こういうミニ東京という言葉に語られるように、地域の個性を失った街がどんどん出てきている、作られてしまったということに対する反省があるんじやないかと思います。
 そのミニ東京という言葉と対になっている言葉じやないかと思ってるんですれど、小京都という言葉があるんですね。ミニ東京と小京都と言うと、ミニと小というのは、これは同じ意味なんですけれども、日本語と英語で、そういう使い方してるんです。この小京都というのは、逆に肯定的な評価が与えられてる。この小京都の代表格として、後でスライドをお見せしますけれども、島恨県の津和野という町があります。これは<山陰の小京都>と言れれてまして、何とかの小京都というのは、全国であっちこっちにあるんですけれど、この山陰の小京都である津和野というのは、私は何度か行きましたけれども、非常に落ちついたいい町である。

 何がいいかと言いますと、歴史的な環境を非常にまちつくりに上手く組み込んでいる。そして、あそこは実は、津和野川というのが流れているんだけれども、その川の両側に古い街並みが残っている。そして、これが私はいいとこうじやないかと思うんですが、たた単に残すだけじゃなくて、新しい要素も付け加えようという努力もされてますしね。自分達の生活をそういう面で、機能的な部分は機能的な部分できっちり確保しながら歴史的な景観を、生活の質と言いますか、環境の質を高めるために使っているということです。あそこには日本の近代科学の基礎を築いたというふうに言われている西周という人の旧居がありますしね。それから文豪の森鴎外。最近あることで新聞紙上を賑わしましたけども、その森鴎外の旧居もある。そういう歴史的な環境を彩る人的な資源も非常に豊かな町であります。そういう小京都というのが、非常に評価されておるということであります。
そこでやはり、先ほど申しましたように、その地域の個性だとか、それから歴史性だとか、あるいはアイデンティティーというふうに言われてますけれども、そういうものが非常によく感じられるような町なんですね。

 それからもう一つあげますと、文化論的に言って、私は文化論はあんまり得意じやないんですけれども、例えば最近の建築学会の特集記事に風土的個性なんていうことが特集のテーマになってる。大江健三郎さんがメインキャストで、いろいろなことを論じておられたんですけれども。要するに風土的個性というものが、今、時代のキーワードになりつつあるということであります。この風土いうのは、私なりに解釈いたしますと、風とか土とかいう、そういう自然的なものに溶け込んでしまった、長期にわたる人間の、あるいは自然の営為によって作り上げられた地域のアイデンティティーじやないかと、私は思っております。東京から地方重視の時代、あるいは東京一極集中から多極分散へということだとかですね。あるいはGNP型社会からGNS型社会というふうに、国民総生産じやなくて国民総満足度と。私はそれを言い換えるならば、GNSじやなくてGRSじやないかと。グロス・リージヨナル・サティスファクション(地域総満足度)だと、こういうふうに私は言い換えた方がいいんじゃないかと思います。あるいは機能重視からアメニティー。こういう時代の流れを見てみますと、やはり景観というものがその中に非常に上手く溶け込む言葉になってるんじやないか、あるいは概念になってるんじやないかと思うわけであります。

3.総合指標としての景観
 今日は行政の方が主体でありますけれども、例えば都市計画の中で主体を占めます土木事業というものが、実は、今まで景観と無縁と見られていたわけですけれども、実は最も景観との関連がある。しかも非常に大きな影響力があるということだと私は思っています。例えば県内でも、私が若干関係した部分なんですけれとも、竹田の稲葉川とその周辺の環境整備で、今まであまり景観に配慮されてなかつたところに極めてエネルギーのかかつた配慮がされてる、設計がされているようなことだとか、あるいは国道326号線、三、二、六というふうに普通言ってますけども、宇目の唄げんか大橋というのができましたし、その周辺のウメリヤという道の駅なんですけれども、そういう道の駅の整備に、非常に景観に配慮した計画がされてるということだとか、あるいはそのみちの駅は、そのウメリヤだけじゃなくて他の所でもいろいろできてきておりますけれども、それの一番大きな関心というのは、私は景観じやないかなと思っています。

 それから、これも非常に個人的な体験ですけれども、日田郡の天瀬町に、今度、天瀬橋という橋を架け換えるということで、今までは車が通ればいい、人が通ればいいという橋の作り方だったんだけれども、それよりもむしう両側の旅館街をつなぐに相応しい景観的な橋というのは一体何かということから、橋のデザインを決めようということがされているわけです。県内を上げても、これはこく一部なんですけれども、県外ではもう、枚挙の暇がないくらい非常に多くの事例があると思います。
 都市計画行政ということからいきますと、事例としては別府で地区計画というのが、二つの地区で指定されておりますけども、メインなテーマは、私は景観だろうと思っております。景観という、具体的に言葉が使われているかどうかは別といたしまして、高さを制限するだとかいうのは景観を如何に確保するかということだと思います。
 それから、今日は杵築の今村さんお見えですけど、後でまたいろいろお話、お聞きますけども、杵築の街路事業における街並み保存の問題。それから更に、スパリ景観と言ってるわけですけれども、都市景観マスタープランだとか、あるいは地区景観ガイドプランというのが県内でも幾つか作られております。そういう中で何が問題であるのかと。実は景観が非常に注目されてるんだけど、何が問題なのかということなんです。

 現状では、先ほど言ったように画一的な街になってしまったということが第一番の問題で、二つ目は歴史的に継承すべきものをどんどん我々が失ってしまってるんじやないかという焦燥感に似た感じがあるわけです。
 5月に、四国の丸亀という所に教え子の結婚式で出席いたしましたけれども、そこの丸亀域というのが築城四百年の記念事業ということで城内の環境整備がなされております。実は丸亀だけじゃなくて、ついでに行きましたが、近くの金比羅山だとか岡山域も良く残ってる部分、それから壊されてる部分があるわけですけれども、そういう継承すへきものを失いつつあるということの一番問題は何かというと、これは私自身の反省も含めてなんですけれども、歴史的な価値というのがどれくらいあるのかということを、科学的に証明しようということに力を注ぎすぎるということがあるわけです。いわゆる文化財としての歴史的な要素というか建築というのを、あまりにも重視しますと、景観というものが薄れてくると思います。景観というのはすべての要素をひっくるめて、最も直感的に私たちに訴えかけてくる総合的指標であるということを言った人がいますが、要するに一つ一つのものを個別に評価するのではなくて、直感的に見て、そしてそれが我々に訴えかけてくるということの総合的な指標である。まさにこの街並み保存をする時に、街並み保存というのをやっていきたいときに、一つ一つの街なりを<綿密に科学的に>調べてそれに評価を下すということをやると、非常に大きな過ちを犯す可能性があるということだと思います。従って、幾つかの要素がまとまっ環境を作って、そしてそれが景観として訴えかけるものがあればそれが一番いい。それを評価すへきたと思うんですね。
 そういうことから見てみますと、景観というものが、総合指標と言つっおりますけれとも、全ての行政施策だとか、あるいは民間事業の総合的な目標になりうると思っているわけです。

 五年ほど前に九州・山ロの地域の街並みだとか、地域の環境を調査して、それを記事に書くということを、読売新聞がやったわけですね。「ふるさと街並み考」というタイトルが被せられた連載記事が載ったわけですけれども、大分の方は私が中心に担当して書きました。中津だとか杵築だとか竹田、玖珠、玖珠の森ですね、それから佐伯、日出、日田と書いていったれけですけれとも、今は大分と別府を載せなかったのが非常に悔やまれてならないんですけど。そういう記事をずっと書きながら、歴史的な遺産というのがどんどんなくなりつつある。しかし一方でそれを保存しようとする力が桔抗してるといいますか、そういうことじやなかったかなと思ってるわけであります。
 

4.景観づくりの戦略・戦術
 時間がとんどん経ちまして、あまりまとまつた話にならないんですけれども、そうしたときの景観づくりということの重要なポイントというのは一体何かということを幾つかまとめてみたいと思います。そしてそれをまた、後のスライドに結びつけていきたいと思います。

 第一番目はビジョンを持つことあるいは作ることだと思います。このビジョンというのは、いわゆる将来ビジョンということです。都市の景観、自分達が住んでいる都市だとか、あるいは地域の景観というのをどういう方向に持つていくのか。そういうビジョンをすべての市町村が作る。現在はこれに近いかたちで例えば風致地区の制度だとか、あるいは建築協定だとか緑化協定なんていうのがあるわけですけど、あるいは歴史的街並み保存地区ですかね、そういうのもありますけれども、地区計画の中に例えば景観地区計画だとか、そういうものを組み込んでいくということも考えられるんじやないでしょうか。それは既にあるかもしれませんけど。先ほどいいましたが景観マスタープランたとかですね、そういうものを少し制度的に強化していくということが必要なんじやないかなと思っております。そういうビジョンを作るときにどういうことが課題になるかと言いますと、やはりまず第一番目は、<らしさ>と言いますか、要するに、その地域の特性というものをきちっと評価してみるということだと思うんですね。
 それを的確に捉えて評価してみるということ。例えば別府の景観の計画に携わったことがあるんですけれども、別府はパックに非常に急峻な山がある。その山から流れ出た砂で作られた扇状地があって、そしてそれが別府湾の方につながってる。市街地は、その扇状地の上に作られる。そしてそこに温泉が湧き出て湯煙が上がる。戦争の爆撃を受けなかったので緑が非常にたくさんある。こういう別府の持っておる景観の要素なり別府らしさというものが、別府の場合は守るべき景観として非常に重要なものだと思うんです。また、臼杵に行きますと、まさに甍と白壁と木の温もりを持った街である。しかも、それが非常にしっとりとした落ちつきを醸し出している。人々の生活と街並みがこれほどぴったりとかみ合ってる地域というのは、ないんじやないかと思ってるんですけれども。こういうことを見てますと、先ほど言った景観というのが総合指標であるということをこれ程強く感じさせる街はないと思つています。

 それからもう一つ、街並みというのを、あるいは景観というのを守り、作り、育てるという、まさに先ほどいったような<らしさ>というのを守っていくということが課題となつてる地域が非常に多い。それからもう一つ、作るということからいきますと、らしさがない街というのはないんですけど、ただやつぱり若干個性に欠けるという街はあるわけです拍。要するに、らしさを強く演出するものがなかなかない。その場合はやはり、その地域をいういう評価しながら、らしさを強く演出するものを作るということも必要でlよないかと思つております。大分市の士易合lよ、戦争によってほとんどの旧市街地が焼け野原になってしまつて、歴史的な大分市らしさと言いますか、そういうものを演出するものというのが非常に欠けてるので、じやあ、一体何をやつたらいいのかというのlよ、これは後でスライドでお見せいたしますけれども、そういう、守り、作り、そして育てるということが必要じやないかと。
 それからもう一つはやはり、これは戦略的な景観形成と言つていいかもしれませんけど、景観のシーンを作るという、そこで絵を描きたいなとか、あるいは写真を撮りたいなと思うような景観を意識的に作っていくということが必要じやないかと思います。後で私が、百数十枚スライドをお見せいたしますけれども、それの多くは写真になる景観というか絵になる景観を自分なりに切り取つてきたものでありまして、それをこ覧いただきますと、景観というものが一体何かということが、トータルに直感できるんじやないかと思っております。

 それから最後に、住民サイドの運動論としては幾つかあるんですけれども、景観という視点から常に見守って、そしてそれに対して何か変なことをやるとしたときには、プロテストすると言いますかね、抗議すると言うか、そういうことが必要だし、あえて英語のプロテストを使ってるというのは、次にまたPがくるんでプロテストを使ったわけですけども、ただプロテストするだけじやなくて、プランニングをすると言いますかね、プロテスト、プランニング、そして最後のプレゼンテーションとつながるれけです。何かに疑問を抱いて、それに対して抗議をしながら、自分達なりにプランニングをして、そしてそれを提案する、プレゼンテーションをするという、この三つのPが、私は住民サイドの景観作りということからいいましても、非常に大きな意味を持っているんじやないかと思っております。実はこのプロテストの一番最初のPなんですけれとも、非常に最近の話題ですけれど、一応解決したんで、ここで出してもいいんじやないかと思います。別府市において、九州電力が田の湯地区に保養所を作ろうとしたんですね。田の湯地区というと、近くに旧別府(今でも使ってるんですけと)中央公民館がある。そこで九州電力の保養所を作ううとしたときに、地域の方々が計画を見て、これはちよっと問題だと、特に色が問題だと。当然、形の問題もあるわけですけれども、地域に馴染んだ、別府というのは別府石と言う火成岩で、ちよっと赤っぽい石があるんですけども、そういう地域性に合う色というか、そういうものを使って、らしさを演出するということをやってほしいということをプロテストした。プレゼンテーションしたかもしれません。その時に事業者側、もうこれも解決したんで名前を出していいと思いますけれども、森林土地という、これは実際の仕事をする事業者なんですけども、そこがそういう抗議に対してきちっと応えるということをしたんですね。コンピューターグラフィックスを使って色を検討する。単に色見本だけじやなくて、建物のモデリンクと我々は言ってますけれども、そういうことをやって、色をいろいろ張り付けてみて、どれが一番いいのかということを検討して最終的な成案を得たということをやってます。そういうふうにねばり強くやることによって得られるものは、やっぱり大きいなと思ってます。

 このへんで大体30分を過ぎたんですけれとも、要するに、そういう地域の景観というのを上手く評価しながら、そしてそれにきっちり応えていくということを計画者側もそれから公共側も、それから住民側もやることによって、いい景観のシーンが生まれてくると思っています。非常に限られた時間なのであまりきっちりまとまった話ができなかったんですけれとも、後半はスライドをお見せしながら話を進めていきたいと思いますので、準備をお願いします。今日は、約百二、三十枚のスライドをお見せして、景観作りというのがどういうふうになされてきているのかということをお感じいただければと思います。日本全国、北は北海道から南は確か大分ぐらいじやなかったかと思いますけれとも、それから外国の事例も幾つか持ってきています。
 

5.スライドショー
 
北海道
これは北海道の札幌の大通り公薗(写真・北海道01)なんですけれども、大通り公園自体も非常に面白い景観作りをやってます。ただ、時間がありませんので次をお願いします。


写真・北海道01 札幌大通り公園(テレビ等から)

 先ほどのテレビ塔の方から見た絵ですけれども、緑化だとかあるいはあちこちにちりばめられたストリートフアーニチや−なり、あるいは噴水なり彫刻なりということで、非常にスケールは大きいんですけれとも、小細工を効かせたというと、変な言い方ですけど、非常にきめ細かい計画がなされているとこうです。次、お願いします。
 これはおそらく総合設計制度か何かを使ったと思いますけれとも、セットパックをして、前の方にこういう広場を作ってます。見えにくいかもしれませんけど、赤いポイントを今から見ておいていたたきたいと思います。次、お願いします。
 最近の事例なんですけども、これも先ほどのテレビ塔から見たんですけれども、サッポロファクトリー(写真・北海道02)というサッポロビールの工場の跡地を再開発してる事例であります。次、お願いします。


写真・北海道02 札幌ファクトリー

 こういう歴史的なと言いますか、今は使ってないんですけれども、蒸留のためのボイラーの煙突ですか、そういうものを使いながら最近の都市再開発の定番であるアトリウムも作って、古いものと新しいものの調和を狙った再開発の事例であります。次、お願いします。
 これは昨年の8月に行つたんですけれど、最近の橋も非常にパリエーションに富んたものがありまして、これは確か石狩川の支流であります豊平川に作られた橋です。普通の車はここを走ってるんですけども、歩行者は、何かこういう太鼓橋の、太鼓じやないんですけと、そういう橋を渡る。橋の路面から7、8m上がつたとこうに自分達の視点を置くことができ、非常に眺めのいい、河川景観を楽しむことができるような仕掛けになってる。次、お願いします。
 これは横の方から見てます。次、お願いします。釧路フイッシャマンズワーフと言うウォーターフロントの再開発で非常に注目を浴びたところですけれども、若干マネージメントに苦労しているようです。ここに彫刻が見えますが、ヌサマイ橋という橋にこういう彫刻をしてます。その向側の方にこのような再開発をやってみせて、これは非常に景観的に面白いものがあります。次、お願いします。
 正面(写真・北海道03)からですね。次、お願いします。
 やっぱり夜の景観(写真・北海道04)というのも非常に大切なんですね。ですからライトアツプをしたり、あるいはイルミネーションをしたりということをやっております。次、お願いします。


写真・北海道03 釧路フィッシャーマンズワーフ


写真・北海道04 同上夜景

 これは歴史的な遺構を今のまちづくりのファクターにしていこうということで、これは稚内なんですけれども、オホーツク海から吹き寄せてくる波を避ける防波堤の一部なんですけれども、これが非常に面白い景観を見せております。次、お願いします。
 このようになってる。これは確か、朝日新聞か何かで一度紹介されておりました。非常に面白い歴史的な 遺構。これは、作られてからおそらく七、八十年経ってる。次、お願いします。
 網走なんですけれども、網走の監獄。次、お願いします。その前の川なんですけれども、デザインをやって見せてるんですね。ただ、日本というのは非常に安全性というのを強調するが故に、こんなふうに手摺を作ってるんですね。後でまた外国の事例を見ますけど、外国は会く違うやり方でやっております。次、お願いします。
 これは小樽です。小樽の運河(写真・北海道05)を埋め立てて道路を作る。その時に非常な大きな論議がわき起こったんですけれども、こういうデザイン的な配慮をすることによって、何とかクリアしたということであります。次、お願いします。
 こういう石を使ったデザイン(写真・北海道06)。これも歴史的に意味があるといいますか、必然性を持ってるんですね。この石がなせここにあるかというのは。北前船と関係があるのですが、説明すると長くなりますので、次をお願いします。


写真・北海道05 小樽運河


写真・北海道06 小樽の石造倉庫が博物館の中庭

 これは函館の聖トラピスチヌ修道院。北海道の函館は、日本が鎖国を解いたときに、幾つか外に向かつて開港した港のうちの一つなんですけれども、そういう歴史性を非常に感じさせるような建築であります。次、お願いします。
 これは同じく函館の金森倉庫(写真・北海道06)。この写真は、おそらく十年ぐらい前の写真ですれど、最近は非常にきれいに整備されております。次、お願いします。


写真・北海道06 函館の金森倉庫群

青森
 これは青森です。青森は青函連絡船がなくなってしまって、その港の部分が非常に寂しくなったということで、このデザインがいいか悪いかっていうのは、これはいろいろ評価が分かれるところだと思いますけれども、いすれにしても非常にインパクトのある建築を作って、景観的に何か主張しようとしたところがあると思います(写真・青森01〜03)。次、お願いします。


写真・青森01 青森産業館


写真・青森02 青森埠頭


写真・青森03 青森埠頭

 その前のウォーターフロントの部分ですね。次、お願いします。
 実はここに船が見えてますけども、これは青函連絡船です。今は確かホテルか何かに使ってるんじやなかったかと思いますれど。その港を跨ぐように斜張橋がある。これもなかなかのデザインであります。インパクトのあるデザインになってます。今は既にこれも開通しております。これも七、八年前の写真です。次、お願いします。

盛岡
 景観と言ったときに、いろいろな景観の場面というのがありますけれども、これはいわゆる、我々はストリートスケープと言ってますけども、通りの景観です。
 これは盛岡なんですけども、盛岡っていうのは、電線の地中化をいち早くやった地方都市でありまして、非常にすっきりした街並みになっておる。次、お願いします。
 その盛岡に雫石川という川がありますけども、その川のデイテールであります。次、お願いします。
 景観を構成する主要な要素、緑がありますけれとも、その緑を守るために道路を曲げてでも、この木を守ううということなんですね。やっぱりこの木を切ってしまうと、地域が面白くなくなるというか、なかなか味なことをやっております。次、お願いします。
  その盛岡の、ちよっと中心市街地から外れたとこうなんですけとも、お寺だとか、そういう歴史的な古い建物があるとこの一角を、歴史の道(写真・盛岡01)ということで整備しておりました。これは確か、建設省の歴史の道百選に、一番最初の頃に選ばれた道路じやないかと思いますけども、これもすいぶん前の写真なんで、おそらく今は街路樹は非常に立派に成長してるんじやないかと思います。次、お願いします。
写真5)ということで整備しておりました。これは確か、建設省の歴史の道百選に、一番最初の頃に選ばれた道路じやないかと思いますけども、これもすいぶん前の写真なんで、おそらく今は街路樹は非常に立派に成長してるんじやないかと思います。次、お願いします。


写真・盛岡01 盛岡市歴史の道
 

仙台
 これは仙台の−番街です。サンモール一番街と書いてありますけれども、仙台は、商店街の整備をかなり全国でも先駆けてやったところであります(写真・仙台01)。


写真・仙台01 仙台市一番街・サンモール


写真・仙台02 仙台市内アーケード街
 

次、お願いします。
 同じく、ちよっと離れたとこうですけれども、非常に明るいアーケードを作ってました(写真・仙台02)。これは後でおそらく亀野先生の方からも出てくるかと思いますけれども、仙台は並木に非常に力を入れておりまして、定禅寺通りだったと思いますけれども、欅の並木であります(写真・仙台03)。次、お願いします。


写真・仙台03 定禅寺通り
 

日立
 これは日立。次、お願いします。
 パティオモール(写真・日立01〜02)という所があるんですけれども、ここは日立製作所の工場の跡地の再開発をやったときに、全く新しく街並みを作ってしまった。次、お願いします。
 景観的にも、いういうなことをやっております。パティオというのは中庭ということなんですけれども、通りのあちこちに中庭的な雰囲気のあるスペースを作るということで、そのパティオの雰囲気を出しております。次、お願いします。


写真・日立01 日立市パティオモール(1)
 


日立市パティオモール(2)
 

会津若松・喜多方
 これは会津若松なんですけど、会津若松(写真・会津01)のすぐ隣りに喜多方という、ラーメンで有名な町がありますけれども、蔵の町(写真・喜多方01)というふうに言われてますが、こういう古い商家を丁寧に保存しております。次、お願いします。


写真・会津01 会津城
 


写真・喜多方01 喜多方の蔵づくりの商家
 
 

新潟
 これは新潟市の中心部で、橋が一本真ん中に見えておりますけれども、万代橋(写真・新潟01)という橋です。この信濃川にたくさん橋が架かっておりますけども、一つ一つの橋を個性的に演出するということで、夜はライトアップしてるということなんですね。ライトアップしてる写真はありませんけど、次、お願いします。


新潟市俯瞰(万代シティから信濃川の万代橋方面を望む)
 

東京
 東京、これは恵比寿ガーデンプレイス(写真・東京01と言いまして、皆さん方も行かれた方がいらっしゃると思いますけれども。再開発のやり方っていうのは、いろいろな機能をたくさん入れる。複合再開発と言って、MXDなんていうふうに言っておりますけど、そのMXDをやるときに、オフィスがある、あるいはショツピンクがある、そして中庭にこういう屋恨のかかつた、アトリウムとはちよっと違いますけれども、そういうものを作る。正面にはマンションですね。そういうものが上手く空間的に調和するように、デザインしてるということですね。次、お願いします。


写真・東京01 恵比寿ガーデンプレイス(1)
 


写真・東京02 恵比寿ガーデンプレイス(2)
 

 エビスビールというのがありますけど、あれはサッポロビールの一つの製品の名前なんですが、元々エビスビールという会社があつて、そこの、おそらくこれは工場やオフィスだったと思いますれど、それを保存して、近代的なデザインとクラシックなデザインというのを、調和させながらやっている事例であります。次、お願いします。


写真・東京03 恵比寿ガーデンプレイス(3)
 

 これは夜景であります(写真・東京03)。やっぱり、夜ライトアップして映える建築というのは、昼間見てもなかなかいいです。次、お願いします。
 これは東京の多摩のニュータウンの中にある住宅です。戸建て住宅地(写真・多摩01)です。これの街路のデザインは、非常にきめ細かくなされてる。ちよっとデザインし過ぎかと思うんですけれとも、この道路と周辺の街並みと街路樹というのが、非常にいいスケール感で。実はまだ葉っぱが芽吹く前なんですけれども、この街路樹が緑で立派になったときにもういっぺん行ってみたいなと思わせられるような市街地であります。


写真・多摩01 多摩ニュータウン(1)


写真・多摩02 多摩ニュータウン(2)
 

 その多摩ニュータウンの一画に、これは東京の四谷にあった四谷見附橋という橋なんですけれども、その橋を架け換えするときに棄ててしまうのは非常にもったいないということで、これを多摩ニュータウンにもってきて(写真・多摩02)、この下の方は広場なんですけども、そこを跨ぐ道路にこれを流用するということをやった。これは新しく橋を造るよりも、ものすごくお金がかかることなんですけども、そこまでやっても歴史性というものをどこかでつなぎ止めていきたいし、デザインとして使っていきたいという、これはもう非常に大さな願いだと思うんですね。そういうことをやってるわけです。次、お願いします。
 これはベルコリーヌ南大沢(写真12)という、これも多摩ニュータウンなんですけれども、これは全く新しく作った住宅地、五、六年前にできたんだと思いますけれとも、人工的にデザインして、しかしそれに非常に自然な感じを出していく。次、お願いします。
 これはごく最近、東京の三田の方に作られた、戸板女子短期大学というのが、景観的に非常に優れたデザインをやつてるなと思って注目してたんですけど、たまたま行く機会がありまして写真を撮ってきました。例えばこういう、ちょっと見えにくいんですけれども、我々はファサード(立面、正面)と言っていますが、そのファサードをですね、いろいろなデザイン要素を入れながら、そっけないファサードじゃなくて人間の姿が見えるファサードといいますか、そういうことをやっていますね。次、お願いします。
 こんなことをやつてるんですね。次、お願いします。
 これはまだ木が大きくなっておりませんけれども、歩道との取り合いの関係。次、お願いします。

横浜
 横浜のランドマークタワーです(写真・横浜01)。次、お願いします。


写真・横浜01 横浜みなとみらい21(ランドマークタワーを望む)
 


写真・横浜02 ランドマークタワーから俯瞰
 

 そのランドマークタワーの周辺(写真・横浜02)。これは昔の横浜のドックがあった所ですけれども、そのドックを、これはちょっと見えないんですけれども、そのまま使って景観を整備するということをやっておりますね。これはMM21と言われてます。次、お願いします。


写真・横浜03 ランドマークタワーからパシフィコ横浜方面を望む
 
 

 これはパシフイコ横浜と言れれるところですね(写真・横浜03)。次、お願いします。
 横浜は、こういう新しい所だけじやなくて、丘がすっとつながってる部分があるんですけども、ちよっと見えにくいんですが、このグリーンに囲まれたところが文化的なゾーンを形成してるんですね。非常にきれいな景観を呈しています。上から見ると分かりにくいんですけれど。次、お願いします。
 

木曽
 これは木曾の妻籠(写真・妻籠01)です。次、お願いします。


写真・妻籠01 木曽・妻籠宿の町並み
 
 これは奈良井(写真・奈良井01)という所です。これは伊勢のすぐ近くに河崎という所がありますけども、街並みの個性というのはいろいろありまして。次、お願いします。
 先ほどの妻籠とは全然違う形、雰囲気ですね。次、お願いします。


写真・奈良井01 木曽・奈良井宿の町並み
 

大阪
 これは大阪の梅田駅の北側に梅田シティー(写真・大阪01)といって積水ハウスが再開発をしたところです。すごいものですけれども。はい、次、お願いします。
 古い家と混在してるんですけどね。次、お願いします。
 いい景観であるかどうかは評価が分かれるところだと思いますけれども、とにかくこういうものを作って景観の演出をしてますと若い人達がどんどん集まってくるということですね。次、お願いします。


写真・大阪01 梅田シティ
 

輪島
 これは能登半島の輪島なんですけれども、これの景観というのは、周囲の街並みよりもそこに集う人達の、動的要素と我々は言ってますけれども、そういうものが、どうもウエイトが大きいし、面白いなあと思うんですね。次、お願いします。
 こんなことがあったりして、何かとんでもないミスマッチみたいに見えるんですけれども、それなりに面白さはあると。次、お願いします。

津和野
 これは山口から津和野(写真15)の方に行くときに発見した農村景観であります。次、お願いします。
 津和野です。こういうふうなですね、古い街並みと白璧とそれから水路を残してですね。はい、お願いします。
 津和野を上の方から見た。先lまど赤い瓦がありましたけども、赤い瓦は島恨県の山の中から広島、岡山の山の中、ずっと赤い瓦が、周囲のグリーンと上手くマッチして、独特の俯瞰景観を示してるわけであります。
次、お願いします。

 
 

丸亀・琴平
 これは先ほど私がお話ししましたけれども、四国の丸亀の域(写真・丸亀01〜02)であります。町中にこのような古い住宅。これはお寺の門じやないかと思うんですけども。はい、次、お願いします。
 金比羅様(写真・琴平01)ですね・・・。金比羅様の参道のアップダウンですね、要するに石段でずっと上がりながら両側に張り付いている商店のリズム感というのは非常にいいものがありますね(写真・琴平01)。次、お願いします。
 これはちようど金比羅の境内からの内側(写真・琴平02)。ちょうどあの門の外側が参道。いわゆる門前町なんですけれども、あれから手前の方が境内に入っていくという、そこが何か非常に面白い。赤い毛氈の上に座ったおばさん達が五、六人、商売をしてるんですけども。次、お願いします。
 こういう門前町の雰囲気と上手く合うような作り酒屋なんですけれども、作り酒屋の工場を再開発(写真・琴平03)して、上手くリニューアルして、また、一般に開放するというようなことをやっておりまして、ここも非常にいい景観であります。次、お願いします。


写真・丸亀01 丸亀城(1)


写真・丸亀02 丸亀城(2)


写真・琴平01 琴平神宮参道
 


写真・琴平02 琴平神宮参道から境内へ
 


写真・琴平03 参道の途中にある酒造場の中庭
 

岡山
 これは岡山域(写真・岡山01)です。岡山域のすぐ川を挟んで向側に後楽園(写真・岡山02)がありますけど、その公園を見てますと、やっぱりこの公園から高層ビルが見えないように、高さ制限を具体的にやっているのか、ちよっとそのへん、私、情報は持ってませんけれども、結果的にそうなってるのかも分かりませんけども、見えないようになってる。次、お願いします。
 これは明治神宮の場合も同じなんですね。明治神宮もそういうふうにしてます。ただ、一カ所だけああいうふうに見えてるところがありましたけれども。次、お願いします。
 大体ここまできたときに55分間かかってるんでですね、後、同じ枚数ぐらいの写真があるんですが。続けていきましよう。


写真・岡山01 岡山城(修復工事中)
 


写真・岡山02 岡山後楽園
 

小倉・門司
 九州に入りまして小倉のですね、北□の方に再開発のゾーンを作ってますけども、北九州国際会議場であります。磯崎新さんの設計でありますけども。はい、次、お願いします。
 その北九州、これはリーガロイヤルホテルとラフオーレ原宿の小倉店なんですけとも。はい、次、お願いします。
 門司港、ちよつと小倉から離れてますけど、レトロの街(写真・門司01〜03)というのを作ってまして、門司港が西日本の代表的な港であったときに。次、お願いします。
 これは全くでっち上げのロシア風の建築。こういうものを作りながらレトロの街というような、まさにこれはビジョンなんですけれども、それに合うように街を整備する。古いものを回復するというようなことをやってます。次、お願いします。


写真・門司01 JR門司港駅
 


写真・門司02 旧門司税関
 


写真・門司03 図書館
 

福岡
 これは福岡のシーサイド百道。次、お願いします。
 全く新しく景観を作るということですね。これはマリゾン(写真・福岡01)という、海に張り出した商業ゾーン。


写真・福岡01 マリゾン
 
 

杵築
 これは杵築(写真・杵築01)であります。ちょうどここに今村さんのお店が見えますけども、これは七、八年前の写真ですかね。次、お願いします。
 杵築といいますと勘定場(写真・杵築03)の坂だとか、あるいは酢屋の坂だとか塩屋の坂というのが有名なんですけれども、実は二十幾つか坂がありまして、その一つ一つのペーブメントが、特徴のある舗装で、これは坂道の名前忘れましたけども、こういうふうに、確か瓦を割ってそれを埋め込んでいるような感じなんですね。次、お願いします。
 これは勘定場の坂です。次、お願いします。


写真・杵築01 杵築町並み(1)
 


写真・杵築02 杵築町並み(2)
 


写真・杵築03 勘定場の坂
 

臼杵
 これは臼杵であります。電柱の地中化をやってますし。それから次をお願いします。
 仁王座の街並み(写真・臼杵01)であります。絵になる景観と言うか、写真を撮りたくなる景観、代表的なところですね(写真・臼杵02〜03)。はい、次、お願いします。
 こういうのはおそらく皆さん方、どこかでご覧になつてる。観光パンフレットか臼杵煎餅の箱の図柄というところ、龍源寺の三重の塔(写真・臼杵04)ですね。これも非常にいい景観であります。


写真・臼杵01 臼杵・仁王座の町並み(1)
 


写真・臼杵02 臼杵・仁王座の町並み(2)


写真・臼杵03 臼杵・仁王座の町並み(3)
 


写真・臼杵04 臼杵・龍源寺三重塔
 

オーストラリア
 これから外国の事例が入りますけと、オーストラリア。オーストラリアっていうのは、建国、おそらく百年前後だと思いますけども、それでも古い、非常に立派な建築が残っておりまして(写真・メルボルン01)、新しい建築と上手くマッチしております。次、お願いします。


写真・メルボルン01 メルボルンの教会と高層オフィスビル
 

 これは橋であります。先ほど言いましたように、このウォーターフロントの水辺のデザイン(メルボルン02)、これは全然日本と違うなというのは、こういうのをご覧になるとおわかりになるんじゃないかと思いますけれども。


写真・メルボルン02 メルボルンのヤラ川の水辺のデザイン。水へのアクセスが優しく表現されている。
 


写真・キャンベラ01 キャンベラの人工湖、グリフィン湖。ここでも水辺へのアクセスは優しい。
 

はい、次、お願いします。
 水にアクセスしやすい。これはキャンベラ(写真・キャンベラ01)です。次、お願いします。
 ここも水辺のデザインが全然日本と違う。次、お願いします。
 道路のデザイン。はい、次、お願いします。
 シドニーなんですけとも、シドニーのオペラハウス。ちょうど飛行機に乗ってて、あっと思ってすぐシャッター切ったんですけど(写真・シドニー01)、そのオペラハウスと、実はこの左に方に橋があります。次、お願いします。


写真・シドニー01 シドニーの上空から。前方にオペラハウスが見える。
 

 その橋というのがシドニーの中心部のアイデンティティーになってるわけですね。次、お願いします。
 ウォーターフロントの再開発です(写真・シドニー02)。次、お願いします。
 こんなふうなもんですね。面白い絵柄だったんで撮ったんです。次、お願いします。


写真・シドニー02 シドニーオペラハウス近くの再開発地区、ロック。

 これはブリスベーンというところなんですけれども、この高架道路ですね、これのデザイン、非常に機能美を感じさせる、しかもこれ、夜の景観で、ライトアップもしてるわけですね(写真・ブリスベーン01)。次、お願いします。


写真・ブリスベーン01 橋のライトアップ
 

 こういうふうに橋をライトアップをすると。次、お願いします。
 いいものを作るとライトアップしたくなるんですね。
 これは市庁舎なんですね。次、お願いします。
 これはショッピングモール。ブリスベーンですね。次、お願いします。
 

ノルウェー
 ちょっとあっちこっち飛びますけども、北はオスロであります。次、お願いします。
 ウォーターフロントのデザイン(写真・オスロ01)。ちようどオスロは、人□40万ぐらいで、大分市と同じぐらいの規模なんですけれども、ウォーターロント、非常に今、元気を出しておりまして。次、お願いします。


写真・オスロ01 オスロのウオーターフロントの一角。三階以上は住宅である。
 

フランス
 同じヨーロッパでも、北と南でかなり様相が違うわけですけれども、これはフランス、パリのボンピドーセンター(写真・パリ01)、パリのですねこんなものっていうのは、ほとんどパリの中にないわけです。次、お願いします。


写真・パリ01 ポンピドーセンター
 

 これは有名なラビレット公園なんですけれども、その公園もこういうふうになってるところってのはほとんどなくて。はい、次、お願いします。
 これは商業系の再開発ですけれども。次、お願いします。
 これはデファンスという再開発なんですけと、こういうのはほとんどマイナーなんですね。次、お願いします。
 実は、こんなふうな街がパリの中の90%以上を占めてるということですね。次、お願いします。

韓国
 これは韓国の木浦という、ちようど南西の一番端っこの方にある町なんですけれども、その木浦のちょうど中心にですね、こういうふうに、ユダル(儒達)山という山なんですれど、このユダル山が木浦のアイデンティティーなんですね(写真・木浦01)。次、お願いします。
 そのアイデンティティーであるユダル山の岩の山の景観というのを守ろうということで建築規制をやってるんですね。実は、昨年の四月ぐらいから、それが効力を発したんですね。次、お願いします。
 このユダル山の周囲を道路が走ってるんです、周回道路があるんですけど、その周回道路より高い建築を建ててはいけないということになってます。次、お願いします。


写真・木浦01 木浦の市街地と儒達(ユダル)山

 そのアイデンティティーを守るということ。これは釜山(写真・釜山01)なんですけど、釜山というのは人口四百万以上の都市でありまして、周囲が日本の市街化調整区域よりも非常に厳しい開発制限区域という、グリーンベルトと我々言っておりますけれども、そのグリーンベルトで締め上げてるが故に人口密度が上がってくる。と、どうしてもこういうふうに高層ビルを建てなきゃいけない(写真・釜山03)。この高層ビルを建てちゃうと、このきれいな山の稜線が壊れてしまうということです。現在、私の研究室と釜山の大学の研究室共同で、これの景観を守るために研究を進めております。次、お願いします。


写真・釜山01 釜山タワーから影島を望む。
 


写真・釜山02 松島地区の景観
 


写真・釜山03 傾斜地の住宅団地建設現場。

 これは海水浴場。非常に有名なヘウンデ(海雲台)という海水浴場(写真・釜山04)があるんですけども、その海水浴場の景観であります。外国の事例は以上でおしまいです。次、お願いします。すこし大分の話をしてスライドを終わりにしましょう。


写真・釜山04 海雲台(ヘウンデ)海水浴場

大分の事例とCG
 これはビーコンプラザのタワーの上から撮ったんですけれとも、この背景の扇山を初めとするバックのグリーンというのが非常に素晴らしい。次、お願いします。
 これを我々の方で数年前にコンピューターグラフィックスを使って、背景のグリーンを守るためにどういうふうにしたらいいのかっていうことをいろいろやってみた。その内の2枚であります(写真・CG01〜02)。次、お願いします。


写真・CG01 別府市のCG(1)


写真・CG2 別府市のCG(2)

 これは大分です。大分の、写真を撮りたくなる景観というのは少しずつ出てきたわけですけれども、やっぱり大分のアイデンティティーというのを何とか作り上げるためにはどんなことをしたらいいのかということで。ちよっと次をお願いします。
 これは府内域なんですけれども、実はここに、ちょうど真ん中にですね、天守台があるんです(写真・CG03)けれども、それを我々の方で、古文書だとかあるいは調査報告書等を使ってですね。
次、お願いします。
 こんなふうな、天守閣をコンピュータグラフィックスを使ってやってみたんですが(写真・CG04)。今、我々がいるところは、この共同庁舎の上の方になるんですけれども、この共同庁舎のデザインなり、あるいは位置というのは、あるいは高さというのは本当に良かったのかなというのを、ちよっと私は疑問があるんですけど、ここに天守閣がなかったということが、この建物を作る側にとっては良かったのかなあ、というような感じがしておりますけど。次、お願いします。
 あれを取ってみるとこんなふうになる(写真・CG05)ということで、これは非常に大きな意味を持つてるんですけれども、一応我々はこんなこともやりながら景観について考えているということであります。


写真・CG03 府内城の現状。天守台には何もない。
 


写真・CG04 天守台に天守閣を建設するとこのようになる。
 


写真・CG05 さらに修景すると・・。

  最後の方は端折ってやりましたけれども、景観というのがどういうものなのかということがお分かりいただけたんじゃないかなと思いますが、私の持ち時間、五分ほどオーバーいたしましたけれども、これで終わりたいと思います。どうもありがとうこざいました。これで私の話は終わりにいたしまして次のディスカッションに移りましょう。