仙台メディアテーク

 2002年2月4−6日にスノーボードをしに宮城へ行ってきました。そしてその旅行の初日に仙台空港へ到着した後、ちょっと寄り道して仙台メディアテークを見てきました。

 設計は伊東豊雄氏です。最初地下鉄から降りて歩いて行き見え始めたとき、ついにでたな!って感じでした。周りの感じとはとても異質で目立って見えました。この建物は壁が構造体の役割をしていません。じゃあなんでこんな大きなものを支えるのかというと、建物の中にあるとても大きく主張した12本のチューブで支えています。このチューブは四隅にあるものが大きくつくられており、中がエレベーターや階段として利用しています。海の中の海草のようなイメージでゆらいでつくってあるそうです。壁でささえていないので一面を除いて残りの三面がガラス張りというこんな大きな建物なのにとても重々しく感じさせない感じがしました。ガラス張りだから中はとても暑いんじゃあないかと思いがちですが天井のどこかが開閉式になっているらしく夏は開いて換気をし、冬は閉めて室温を保って熱効率を上げているらしいです。しかし、実際はその日の気温が高かったせいか、それとも東北という事で勇んで着込んでいった僕たちのせいか、北国の習性として室温は高く設定しているのかはわかりませんが、とにかく暑かった!!汗ダクダクで写真をとっている九州人がうろうろしていました。

 1階はいろんなイベントなどに使えるホールとカフェとショップが一緒になっていました。天井が高く空まで伸びたチューブが存分にそそり立っていますがそんなに違和感は感じませんでした。

 2階はブラウジングルームで雑誌を自由に読んだり、インターネットしたりとけっこうひとがたくさんいました。インターネットをするのには2時間待ちくらいでした。後おばさま方の何かの教室もやっていました。

 3、4階は仙台市民図書館になっていましたがこの日はちょうど休みで残念でした。

 5、6階はギャラリーで絵画の個展をやったり展示会などのイベントが行えるようになっていました。

 7階はスタジオでビデオ鑑賞をしたり会議室があったり、勉強している学生がいたりと多様な使われ方がされていました。

 この建物の中にある椅子やごみ箱といったものはすべて既存のものではなくこの建物用に作られたもののようでした。しかも各階によって同じものでも色や質感が変えられていました。それは床や天井も同じで各階ごとに床は大理石、木製、じゅうたんと言った具合に変えてあり、天井は各階の階高が違ったり、照明の色や形が変えてあり、その日は昼間しか見れなかったけど夜見る事ができればとてもきれいに見えると思いました。

 この建物は新しい形でのバリアフリーとしてつくられているそうです。従来のバリアフリーというと障害者や老人のためにスロープやエレベーターといったものを考えがちですが、ここではもっと広い意味でのバリアフリーということで多種のメディアの統合、つまり公共建築では縦割り行政の組織間のバリアを崩していく目的でつくられているそうです。縦割り行政を崩すというのはなかなかピンときにくいですが多種のメディアの統合という意味ではこの公共建築は中で利用している人の多様性やにぎわいを見ているとせいこうしているのではないかと感じました。新しい意味での公共建築というものはこれからもどんどんでてくるだろうし考えていく必要があります。そういう意味でメディアテークはパイオニアとして今回見学できたことはとても有意義でした。