第六章 社会的環境要因との関連性



 次に社会的環境要因との関連性について説明いたします。 方法としては、土地被覆構成比データにおいて1987年から1998年にかけて市街地構成比の増加の見られるメッシュと緑地構成比の減少の見られるメッシュを抽出し、それぞれについて各社会的環境要因までの最短距離に関するヒストグラムを作成しました。 ここでは全22環境要因中4種について説明いたします。
◇環境要因〜消防署、保育所、幼稚園、鉄道駅、警察署、市役所・支所、公民館、銀行、店舗売場、病院、公園緑地、幹線道路、臨海工業、河川、小学校、高等学校、都心、下水処理整備地域、インターチェンジ、高速道路、工場分布、港湾地区

左の緑のグラフが緑地、右の燈のグラフが市街地です。


■まず、小学校についてですが、これらの要因では、緑地減少メッシュは0.5km〜1.0kmの範囲に最も多く存在し、要因から遠ざかると共に減少しています。市街地増加メッシュは3.0km以内の範囲にそのほとんどが存在し、中でも0.5km〜1.0kmの範囲に最も多く存在しています。これらのことから、3.0km以内の近い範囲で市街地増加が直接的に緑地減少に影響を与えていると考えられます。


■次に公民館についてですが、緑地減少メッシュは0.5km〜4.5kmの範囲で要因から遠ざかると共に増加し、3.0km〜4.5kmで最も多く存在し、その後は減少しています。市街地増加メッシュは3.0km以内の範囲にそのほとんどが存在し、0.5km〜2.0 kmの範囲に多く存在しています。これらのことから、広い範囲において緑地減少がみられ、0.5km〜2.5 kmの範囲では市街地増加が直接的に緑地減少に影響を与えているが、2.5km以上ではそれが全てではないと考えられます。


■市役所・支所についてですが  緑地減少メッシュは0.5km〜2.0 kmの範囲に多く存在し、要因から遠ざかると共に減少しています。市街地増加メッシュは0.5km〜3.0kmの範囲で要因から遠ざかると共に増加し、3.0km前後で最も多く存在し、その後は減少しています。これらのことから、3.0km以内の近い範囲では緑地減少に影響を与えているのは市街地増加もありますが、それが全てではないと考えられます。3.0km以上の範囲では市街地増加が直接的に緑地減少に影響を与えていると考えられます。


■最後に幹線道路についてですが、  緑地減少メッシュ、市街地増加メッシュ共に2.0km以内の範囲にそのほとんどが存在しています。このことから市街地増加が直接的に緑地減少に影響を与えていると考えられます。

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