5−2 各街路パターンの総合評価

アンケートの集計結果から、各街路パターンの総合評価の傾向を探ってみる。「好ましい」に3、「好ましくない」に−3の得点を付け、集計を行い、街路樹高さを一定にし、グラフに表した。(図8)  
まず、「仮想街路モデル」について考察を行ってみると、最も良い評価を得ているのは、「3f4m(建物高さ3階・街路樹高さ4m)」である。逆に、最も悪い評価を得ているのは「7f13m(建物高さ7階・街路樹高さ13m)」である。総じて、被験者は建物高さと街路樹高さが高くなるにつれ、「好ましくない」と感じるようである。さらに、建物高さに関係無く、街路樹高さが7mのパターンが良い評価を得ており、街路樹高さが高くなるにつれ、7mをピークに評価が低くなっていることが分かる。 また、街路樹高さが10mと13mのパターンでは、建物高さに関係無く、評価は低く、殆ど動きが見られないことが分かる。  
以上のことから、街路樹高さの変化が街路パターンの総合評価に関係しており、建物高さの変化はあまり関係していないということがうかがえる。  

次に、「大分市中央通り」について考察してみると、これも「街路モデル」と同様に街路樹高さ7mのものが最も良い評価を得ており、それをピークに評価が低くなっていることが分かる。また、中央通りの平均高さは21.7mで、街路モデルの7階建て(22m)とほぼ等しく、総合評価も2つを比べると、評価値は異なるが似た動きを見せている。  
以上のことから、仮想の街路である「仮想街路モデル」が、現状の街路である「大分市中央通り」にも適用できる、即ち「仮想街路モデル」の妥当性が証明されたことになる。

グラフ

図8.各街路パターンの総合評価



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