研究の背景と目的

大分県の九重地域には、広大な草地と山々が織り成す雄大な自然と、その素晴らしい眺望に魅せられ、毎年、六百万人以上の観光客や登山客が訪れる。やまなみハイウェイは、その雄大で美しい自然景観の続く九重地域を、南北に貫く九重屈指のパノラマロードである。大分県の水分峠から南下するルートを取れば、前方に九重連山を、そして、牧ノ戸峠を通り、熊本県側に入ると、阿蘇山を始めとする阿蘇五岳の壮大な山並みを眺望しながら、刻一刻と移り変わる大自然のパノラマを楽しむことができる。このように多くの人々を惹きつける九重地域の景観とは、どのようなものなのだろうか。

そこで本研究は、研究対象道路として、やまなみハイウェイを取り上げ、道路から見た九重地域のシークエンス景観特性を明らかにすることを目的とする。この時、やまなみハイウェイが九重連山を眺望する絶好の道路であることから、九重連山の見え方に着目し分析を行う。


研究方法
本研究では、次の6項目を基に分析を進めていく。(下図は研究のフロー)

研究の6項目
@ 地図・出版物・ホームページなどから九重地域、及び九重連山について地理的条件・社会的条件などの調査及びデータの収集を行う。
A 九重連山の可視不可視分析を行い、可視領域を抽出する。
B 九重連山の可視領域内から視点場を選定し、カシミール3Dにより、やまなみハイウェイから見た車窓景観を「景観画像」として抽出する。
C 景観画像から、「空」「山」「草原」の3つの景観構成要素について占有割合を求め、その考察を行う。
D 占有割合からクラスター分析を行い、景観タイプを抽出し、景観画像を分類する。
E 以上の分析から、やまなみハイウェイのシークエンス景観の特性を明らかにしていく。



START
対象地域のデータ収集・編集
 
 
 
 
可視不可視分析
□九重連山の可視領域の抽出
□重要可視領域の抽出
 
 
 
 
景観画像の抽出
□視点場の選定
□車窓景観画像の抽出
   
 
景観分類
□景観タイプの抽出・分類
□車窓景観画像の抽出
     
 
 
GOAL!
やまなみハイウェイのシークエンス景観特性
□距離景と景観タイプ
□シークエンス景観の分節点
 
         
 
研究のフローチャート
 



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