景観とは何か of 佐藤誠治 建築・都市計画研究室

景観とは何か

景観とは,

○景観は見える環境である
「自然と人間界の事が入り交じっている現実のさま」(広辞苑)ということ ができる。したがって,自然界としての岩石圏,水圏,大気圏を構成する自然物と人間の 活動が作りだした人工物が織りなす環境,すなわち「見える環境」の全てが景観を規定する条件であろう。
 これを景観場と定義する。

○景観は景観場と視点場との位置関係で決まる
実際の景観は、「見える環境である」から、以上の条件と、みる側の位置としての「視点場」との空間関係=位置関係で決まるのである。
すなわち、景観場の物的構成と視点場との空間的位置関係で景観としての見え方が決定される。       

○景観は美しいもの
一方で、社会的ストックとしての景観は「美しい」と感じるものでなければならない。一般的に「景観保全」とか、「景観整備」という用語の中で使用される「景観」が持つ意味は多分に「景観とは美しいもの」という意味が込められている。したがって景観場を整備して、しかも美しく見えるような視点場との位置関係を探し出すのが「景観」の課題であるといえる。

○複数でなければ景観ではない
また、物が一つだけでは景観とはいえない。複数の物が景観場で位置を占め、それらの位置の複合が視点場でいろいろな姿をみせる。それが景観である。