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2.2 インピーダンス
- 一般に、ある点に交番力が作用して、ある効果が生じた場合、(作用)/(効果)=Z,をその点のインピーダンスとよぶ。
2.2.1 音の場合
音響解析では波動方程式の解を粒子速度vと音圧pなどの形で求め、また建築音響の計測などでは音圧や粒子あるいは壁面などの振動速度を測定する。そこでこの二つの量に関わる様々な処理を簡便に行うためp, vの関係を示す量としてインピーダンスが以下のように定義されている。
音の場合は、作用として音圧p、効果として粒子速度vをとり
をその点の音波に対するインピーダンス(音響インピーダンス)と呼ぶ。また、自由空間に広がった媒質中に1つの平面波が伝搬する場合、損失がなければインピーダンスは常に実数で、媒質密度ρ、音速cの積となり、
これは媒質固有の値であるから、その媒質の特性インピーダンスと呼ぶ。
以下、理解を助けるため電気と機械のインピーダンスについて記述する。
2.2.2 電気の場合
電気回路に電圧Vという作用が働いて電流Iという効果が生じたとき、
がその電気回路のその点のインピーダンスである。これは直流の場合オームの法則としてよく知られている。
2.2.3 機械の場合
機械的な振動系に、加振力が作用して速度vを生じた場合、
を機械インピーダンスという。