6−2 重回帰分析

因子分析で求まった因子のどの因子が街路景観の総合評価に影響を与えているかを明らかにするため、各街路パターンの総合評価項目「好ましい-好ましくない」を目的変数に、そして、因子分析で求まった5因子の因子得点を説明変数に用いて重回帰分析を行った。その結果を表6に示す。

この分析から得られた回帰式は Y=-0.135 -0.272X1+0.082X2+1.339X3+0.07X4+0.252X5 である。

さらに、各因子のウェイトを求めるため、標準偏回帰係数を算出したところ、第3因子である「誘引性」が他の因子に比べ、0.883という著しく高い値を示した。すなわち、第3因子が総合評価に強く影響を及ぼしており、被験者は、アニメーション画像に魅力的等を主体とする「誘引性」を感じることにより、その心理が街路景観評価に結びつく心理構造が推測され、総合評価には「誘引性」が大きなウェイトを占めることが明らかになった。

 

非標準化係数
標準化係数
有意水準
相関係数
定数
-0.135
0.000
0.000
0.000
第1因子
-0.272
-0.278
0.012
-0.043
第2因子
0.082
0.106
0.213
-0.080
第3因子
1.339
0.883
0.000
0.814
第4因子
0.070
0.099
0.310
0.290
第5因子
0.252
0.326
0.001
0.599
重相関係数
0.973

表6.重回帰分析の結果



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