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- Miyake's Study -

◇卒業論文


『ランドサットTMデータを用いた市街地・緑地環境変化の基礎的解析』

研究の目的と方法

◇研究の目的

都市の市街化及び緑地環境をどのように評価すべきかは、リモートセンシング技術の分野で多大な蓄積がある。従来のリモートセンシング技術の解析では地表面の立体的な状態を考慮して解析を進めることは一般におこなわれていない。しかし、地表面の地形条件を解析に組み込まなければ、地表面、特に土地の植生についての条件を評価したことにはならないと思われる。また、都市の市街化及び緑地環境を評価すためには市街地・緑地を取り巻く様々な都市的諸活動との関連性で評価しなければならないと思われる。

 そこで本研究では都市の市街化及び緑地環境を評価するために、ランドサットTMデータと3次元的な地形データや土地利用、市街地情報など極めて精度の高い属地データによる統合的な解析を行う。その解析結果によって、都市の市街地・緑地分布特性、都市の緑地環境の活性の度合いを明らかにするだけでなく、都市的諸活動と関連させることによって都市の市街化及び緑地環境変化にどのような条件が影響を与えているかを明らかにすると共に、それを数値的な指標で表現することを目的としている。

 具体的には、大分市を研究対象地域とし、観測年時の異なるランドサットTMデータを用いて土地被覆分類図とNVI画像を作成し、3次元的な地形データなどの属地データと併用することにより、都市の市街地・緑地分布特性、都市の緑地環境の活性の度合いを経年的に把握する。その結果に市街地情報を加味して、都市の市街化及び緑地環境変化と都市的諸活動との関連性について解析を行う。

 

◇研究の方法

 まず、前準備として、ランドサットTMデータの画像の処理解析を行う。本研究では、PCI(リモートセンシング解析ソフト)を使用し、画像の切り出し、幾何学的補正、土地被覆分類図の作成、NVI指標の算出を行った。その後テキストデータに変換し、分析に用いた。 更に、土地被覆分類データ、NVI指標と大分市市域データとのマッチングを行い、各メッシュデータとの融合による分析を可能にする。分析に用いるメッシュデータは次の通りである。
 ・土地利用データ(250mメッシュ)土地利用現況
 ・地形データ(250mメッシュ)自然条件−標高(m)、傾斜度(%)
 ・用途地域データ(250mメッシュ)法的規制
 ・施設データ(250mメッシュ)社会的環境要因−幹線道路、学校、駅など

分析としては、まず、土地被覆分類データを用いて二次元的解析、地形データとの融合による三次元的解析をおこなう。そして更に分析手法として、重心及び2次半径、特化係数、連結性行列を用いて、市街地と緑地の分布特性の把握をおこなう。

次に、NVI指標を用いて二次元的解析、地形データとの融合による三次元的解析をおこなう。そして更に分析手法として、標準偏差、変動係数を用いて、NVI指標の分布特性の把握をおこなう。

最後に、社会的環境要因との距離的関係から、市街地の拡大、緑地の縮少に与える影響を考察する。

以上の分析結果によって、都市の市街地・緑地分布特性、都市における市街化、緑地環境の変化を明らかにするだけでなく、都市的諸活動と関連させることによって都市の市街化及び緑地環境変化にどのような条件が影響を与えているかを明らかにすると共に、それを数値的な指標で表現する。

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