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- Miyake's Study -

◇卒業論文


『ランドサットTMデータを用いた市街地・緑地環境変化の基礎的解析』

ランドサットTMデータについて

◇幾何補正

 本研究では幾何学的歪みの補正方法として、PCI(リモートセンシング解析ソフト)を使用し、GCP(Ground Control Point:地上基準点)を用いた補正を以下の手順により行った。

1.GCPデータの作成
 PCI(リモートセンシング解析ソフト)を使用し、ランドサット画像とスキャンした地図上で、同一点だと認識しやすい橋や岬の先端部分などをGCPとして選定した。今回は、GCPとして43点を選定し、GCPの配点は1箇所に集中すると、GCP付近の補正精度は高まるが、離れた場所は精度が悪くなるため1箇所に固まらず、均等に散らばるように配点した。下図に作業の様子を

2.画像座標系の変換
 通常はGCPデータの採取を一通り行った後で、画像変換式の算出を行うことになるのであるが、数多いGCPのデータから変換式を算出することはかなりの労力を消費することになる。しかし本研究ではPCI(リモートセンシング解析ソフト)を利用したため、計算をコンピュータに任せておくことができた。

3.変換後の画像データの内挿
 このプロセスにおいても先述したPCIを用いて最終的なランドサット画像データを修正した。このプロセスでは最終的な画像の情報をどうするかを決定すれば良いだけであった。

 以上のプロセスによりランドサットデータの幾何学的補正は終了した。下図はこれらの方法によって幾何補正される前と後の画像である。

◇土地被覆分類図

 本研究においてはPCI(リモートセンシング解析ソフト)を使用し、教師付き分類法で土地被覆分類図を作成した。グランドトルースデータに1/30,000植生図を用い、分類カテゴリーを『市街地・緑地・水田・畑地・草地・水域』の6カテゴリーとし、分類手法に最尤法を用いた。

土地被覆分類図の作成手順
 @解析対象データのカラーディスプレイ装置への表示
 Aトレーニングエリアの選定
 B有効バンドの選定
 C判別分類の実行
 D分類画像データのカラーディスプレイ装置への表示
 E分類精度の検討  上記の作業を良好な画像が得られるまで繰り返す

 今回は植生図と見比べて、まずまず良好な分類精度を得ることができたバンド1〜バンド5のデータを使用して分類を行った。下図はーニングエリアを選定しているPCIの作業画面と上記の作業によって作成された土地被覆分類図である。

◇NVI(Normalized Vegetation Indicator)指数について

 本研究では、主に緑地情報を得るために、ランドサットTMデータを用いていくわけであるが、日本リモートセンシング学会等の学術機関、または研究レベルでランドサットTMデータ用いた植生活性度を測る方法がある。それが、『NVI指数』と呼ばれるものである。NVIとはNormalized Vegetation Indicatorの略であり、植生が可視域に対して近赤外域で比較的強い反射を示す状態を利用した『観測区域にどれだけ植生があるかを判定する指標』である。

 本研究ではPCI(リモートセンシング解析ソフト)を用い、NVI指数を以下の式によって導き出した。

  その値は理論的には0〜200の範囲を取るが実際には0〜180程度の範囲である。その値が高いほど植生活性度が高いと考えられる。一般的に、NVIはその特性として季節や観測時点の気象条件に敏感に反応するため、単純な経年的比較は困難と考えられる。なお補足ではあるが、今日のリモートセンシング技術の利用において、上記のような数値的な計算等は、「絶対的」なものはなく、あくまで今までに研究されてきた内容の最良とされる部分である。上記の式によってPCI(リモートセンシング解析ソフト)を用いて計算されたNVI画像を下図に示す。

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