T.M.Factory
- Miyake's Study -

◇卒業論文


『ランドサットTMデータを用いた市街地・緑地環境変化の基礎的解析』

NVI分布特性の把握

◇ 2次元的分布特性

NVI画像

 NVI指標を用いて、大分市のNVI指標の分布特性と経年変化を2次元的に(視覚的に)把握する。下の図は1987年、1993年、1998年のNVI画像である。色分けはNVI値が高くなるほど濃い緑色を示す。ただし、水域と思われる80以下は青色としている。  それぞれの年で見てみるとNVI指標の分布、すなわち植生の活性度の分布状況を把握することができる。しかし、前にも述べたようにNVI指標は観測時の天候、気温等に影響されるため、経年変化を見ることは難しいと思われる。

NVI分布割合の確認

 下の図は、NVI分布割合を示す。ここではNVI分布割合を数値的に把握する。1987年と1998年を比較してみると市街地と思われる81〜95の割合が増加し、緑地と思われる90〜の割合が減少している。

◇3次元的分布特性

  NVI指標と地形データを用いて、各標高・傾斜度におけるNVI指標の分布特性を3次元的に把握する。ここでは第2章で行った土地被覆分類で緑地として分類されたメッシュにおいて、それぞれ各標高・傾斜度におけるNVI指標のメッシュ数と平均値、標準偏差を求め、NVI指標の分布特性を把握する。
 その前に3次元的分布特性を視覚的に把握するために、3次元的に描画させたNVI画像を示す。これは大分市を別府湾から南方向に見たものである。



1)標高とNVI分布

 下の図表は標高別にNVI分布割合と平均値・標準変化をグラフと表にしたものである。NVIの平均値においては標高と共に上昇し、標高50m〜100mで最大となり、その後、標高の上昇とは逆に平均値は低下している。NVIの標準偏差においては平均値とは全く逆の傾向が見られ、標高50m〜100mで最小となっている。すなわち、標高の低い地域では植生活性度の低い地域と高い地域とが混在しており、標高が高くなるにつれ、植生活性度の高い地域の集中がみられ、標高50m〜100mで植生活性度の高い地域が最も集中して存在している。経年的に見てみると、NVIの平均値・標準偏差のグラフの線形は、ほぼ同じ傾向を示しているが、値に関しては、ばらつきが見られる。これはNVI指標が、観測時の天候、気温等に影響され易いため、NVIの平均値・標準偏差の値にも影響が出ていると思われる。

2)傾斜度とNVI分布

 下の図表は傾斜度別にNVI分布割合と平均値・標準変化をグラフと表にしたものである。NVIの平均値においては傾斜度5゜〜10゜で最大となり、その後、傾斜度の上昇とともに平均値は低下している。NVIの標準偏差においては、傾斜度の上昇とともに上昇し、傾斜度約25゜で最大となっている。すなわち、傾斜度0゜〜10゜で植生活性度の高い地域が最も集中して存在しており、傾斜度が高くなるにつれ、植生活性度の低い地域と高い地域とが混在していく。傾斜度30゜以上で標準偏差が低い値をとっているのは、傾斜度30゜以上にあるメッシュ数が極めて少ないためであると思われる。経年的に見てみると、NVIの平均値・標準偏差のグラフの線形は、ほぼ同じ傾向を示しているが、値に関しては、ばらつきが見られる。前にも述べたように、これはNVI指標が、観測時の天候、気温等に影響され易いため、NVIの平均値・標準偏差の値にも影響が出ていると思われる。

 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11


[ Home ] [ What's New ] [ Profile ] [ Study ] [ Photo Gallery ] [ Blue ] [ Links ]
This page is maintained by Takayoshi Miyake <tmiyake@arch.oita-u.ac.jp>.