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- Miyake's Study -

◇卒業論文


『ランドサットTMデータを用いた市街地・緑地環境変化の基礎的解析』

法的要因との関連性

◇ 各用途地域における土地被覆構成比

  ここで使用する用途地域データは、『第一種住居専用地域、第二種住居専用地域、住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域、調整地域』の9地域に分けられている。
 各用途地域において市街地・緑地被覆が、どのように分布しているかを把握する。

  近隣商業地域、商業地域では、特に市街地の構成比が高く、緑地の構成比は低くなっている。第一種住居、第二種住居、住居地域においては、第一種住居で緑地の構成比が比較的高く、他の住居地域よりも緑地が多く存在している。第二種住居、住居地域では市街地構成比が約半分を占め、その他のカテゴリーは、ほぼ均等に分布している。準工業地域、工業地域、工業専用地域においては、第二種住居、住居地域と同じような構成比になっている。調整地域では、緑地の構成比が約7割を占め、市街地の構成比は1割にも満たない。これは、調整地域が市街地ではなく、郊外に分布しているからである。1998年の畑地の構成比が全体的に他の年よりも低いのは、土地被覆分類図の作成時の誤分類の影響と思われる。

◇各用途地域における市街地・緑地被覆の経年変化

 各用途地域において市街地・緑地被覆割合が、どのように変化しているかを把握することにより、用途地域と市街化及び緑地環境変化との関連性を明らかにする。

  市街地については、全体で増加傾向を示している。特に第一種住居、第二種住居、住居地域での増加が目立っている。逆に、緑地については、全体で減少傾向を示している。特に調整地域、第一種住居地域での減少が目立っている。

◇特化係数による市街地・緑地分布の地域間比較と経年変化

 特化係数は、各用途地域の市街地・緑地被覆の構成比或いは比率を、全域のそれと比較することによりどの地域が市街地・緑地被覆分布に特化しているかを数量的に把握するために用いる指標である。

                Rac :各地域のカテゴリー構成比
                             Rc :全域のカテゴリー構成比

 この指標を用いると、特化係数Sacが1を上まり、大きくなるにつれて、その地区aにおけるカテゴリーcは、その地域において特徴的な立地傾向を示しているカテゴリーであるといえる。0に近づくにつれて、前述と逆のことがいえる。

  市街地については、調整地域以外は特化係数が1を上まわっており、市街地分布に特化している。特に近隣商業、商業地域おいては特化係数が高くなっている。経年変化を見ると近隣商業、商業地域の特化係数の低下が目立つが、これは市街地が減少しているのではなく、市域全体の市街地割合の増加に起因している。

  緑地については、市街地とは逆に調整地域において緑地分布に特化しているが、調整地域以外は特化係数が1を下まわっている。経年変化を見ると調整地域以外では低下を示しているが、調整地域では逆に高くなっている。これは緑地が増加しいているのではなく、市域全体の緑地割合の減少に起因している。

 

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