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- Miyake's Study -

◇卒業論文


『ランドサットTMデータを用いた市街地・緑地環境変化の基礎的解析』

土地被覆分布特性の把握 (3次元)

◇ 連結性行列による市街地・緑地分布特性の把握

1)解析手法

 市街地及び緑地の50mメッシュの連結性を測定する。基準は当該メッシュの周辺メッシュの連結数即ち連結しているメッシュに伸びる線の数である。線の数をここでは、N次連結数と呼ぶ。Nには、1,2,….,xの整数が入るが、1次即ちN=1は当該メッシュから周辺8メッシュを対象範囲とし、2次は16メッシュ(1次外周隣接メッシュ数8の外周隣接メッシュ数)、3次は32メッシュ(1次外周隣接メッシュ数8+2次外周隣接メッシュ数16の外周隣接メッシュ数)を意味する。

 1次連結数Nij(1)は次式により与えられる。

           
              
 Nij(1)は、当該メッシュDijが市街地或いは緑地の属性をもち、且つ周辺メッシュが当該メッシュと同種のカテゴリーを有するときのそれの個数である。従って、1次連結数は最大値8であり、最小値は0となる。

 また、予め(1)式により連結数を算出し、Nij(1)が0より大きいメッシュを中心として5.0km四方の範囲内における連結数の総和を算出した。この総和をここでは、N次連結総数と呼ぶ。N次連結総数Tijは次式により与えられる。

           


2)解析結果

 1次連結総数を見ると、市街地は連結総数が増加し、緑地は減少していることが読みとれる。市街地では約6000ピクセルの増加、緑地では約8000ピクセルの減少である。また市街地の連結総数の増加は、傾斜度0°〜5°の地域、標高0m〜30mの地域に集中している。緑地の連結総数の減少は傾斜度0°〜15°の地域、標高0m〜150mの地域に集中している。標準偏差からも増加・減少の傾向は読みとれ、市街地では標準偏差は大きくなり、ばらつきが大きく即ち拡散の様相を呈していることが確認できる。
  緑地については、市街地の逆であり、標準偏差が減少している。これは、1987年から1998年の間に連結総数20000〜22500の度数が大幅に減少していることから、緑地の減少とともに、密集していた緑地地域に土地利用転換が起き、連結総数の低下により、格差が縮まったことに起因していることが分かる。

 連結総数の変遷を示した濃淡マップを見ると、市街地は大分市中心部の連結総数の大きい地点の増加即ち市街地拡散が見られ、更に、1998年には大分市中心部から東方向に位置する高城駅周辺に新たな連結総数の大きい地点の集合が現れている。
 緑地については、大分市を取り巻くように形成されていた連結総数の高い地点が1998年には大幅に縮小し、特に顕著な地点としては、明野の南部に位置する高尾山周辺の連結総数の高い地点が激減していることが確認できる。 

 

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