◇ 変動係数を用いたNVI分布特性の地域間比較
解析手法
変動係数を用いて、大分市6地区におけるNVI分布特性の地域間比較の計測を行う。
一般的にスケールの違う地域とを比較する場合、単純な構成比或いは平均値のみでは、必ずしも事象の地域間比較を明らかにすることはできないという欠点を持っている。この欠点を補うために、単一カテゴリーを用いた地域間比較に有効な手法として、変動係数がある。事象の統計量の平均値をx、標準偏差をσとすると、変動係数Caは、以下の式により与えられる。なお、aは地区の属性である。
この指標を用いることにより、対象地区における単一事象の地域間比較を計測することが可能である。
解析結果
表は各年の地区別変動係数を、又、図は、各地区の変動係数の推移を示したものである。特徴的な結果を示しているのは、大分、鶴崎、大在地区であり、植生分布に他の地区と大きな隔たりがあることが読みとることができる。大南、稙田、坂ノ市地区は他の地区と比較しても変動係数は小さい値を示している。
この指標は、地域間比較を行うことができるだけでなく、その地区の持つNVI分布特性も読みとることができるという特徴も持ち合わせており、植生分布の特徴的な分布地区の抽出と同時に、その経年変化も読みとることが可能である。
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